『スカイ・ロック・ゲート☆』
夏は怪談
掲載:2009/8/16 01:20
多分、コラムでは崖くわさんもこのネタだと思いますが、自分もやってみようと思います。
この手の話が苦手な人は読まないで下さいね。
実は、自分も過去何度か霊体験らしきものをした事がありまして、「らしき」と言うのは、それが夢なんだか現実なんだかはっきりしないからなんですな。
俗に言う「金縛り」って奴です。
夜中、就寝していると、ぐぐ~っと布団が重くなって、身動きが取れなくなる。
うんうん唸って、やっと解放された時には汗びっしょり……みたいな。
要はレム睡眠なんだろうって気がするんですが、それが起きる時には前兆のようなものを感じたのも事実な訳で、真相は何だったのか未だ分かりません。
ともかく、そんな曖昧な体験談の中から、とびっきりの恐怖を感じた話を一つ───。
当時、自分が金縛りにあう前には、部屋の空気がささくれ立ってピリピリする感覚を味わってました。
まるで、静電気を帯びているか、蜘蛛の糸が空気中を飛んでいるみたいです。
就寝前、「ああ、また来るなあ……」なんて思いつつ、その晩も床についた訳ですよ。
案の定、布団に入ってしばらくすると、ぐぐ~っと何かが体にのしかかって来まして、あっという間に自分の体は指一本動かせなくなりました。
経験上、こうすると解放される事が多かったので、体の力を抜き、ゆっくりと呼吸を整えてみます。
しかし、この晩の金縛りは相当にしつこくて、一向に解放してくれる気配がありません。
で、恐る恐る目を開けてみたんですよ。
すると───
枕元に、誰かが立ってました(泣)。
顔は横にした状態で押さえ付けられているので、足元しか見えません。
相手は、ピッタリしたズボンのようなものを身につけているようです。
もっと姿を見てやろうと、眼球だけ上に動かしたら、どうやら長髪らしい事が確認出来ました。
男なのか女なのか、性別は不明です。
てか、これはヤバすぎるだろうと?
自分は金縛りみたいなものを何とかやり過ごしている程度の、いわば心霊現象初心者なんですよ。
その初心者に、こんな本格的な心霊現象を裁けって言われても絶対無理。
「取り憑く相手の人選ミスだ、この野郎っ!!」て感じです。
しかし、この事態は何とか納めねばなりません。
まずは体を動かさねばと、もがいてみたんですが、これがまたピクリとも動かないんですよね。
一体どうしてくれようかと思ったその時、部屋の姿見が目に入りました。
勿論、消灯してるんで室内は真っ暗なんですが、闇に慣れた目は部屋の様子ぐらい見て取れます。
でも───
その姿見の鏡面には、室内が映ってなかったんです(泣)。
白っぽいものがひらひらと舞っていて、最初は蝶だと思いました。
しかし、それをよく見たら人間の手!!
青白い無数の手が鏡の中で蠢いてたんです。
プチンと切れましたね。
悲鳴を上げてたかもしれません。
その瞬間、体がもの凄い勢いで動きました。
すると同時に、布団の中へ冷たくてぬるっとした何かが飛び込んで来たんですよ。
それが下腹部から胸元に這い上がって来た時には、跳ね起きた自分の右手が電灯のスイッチを掴んでました。
そして、真っ白い蛍光灯の光が部屋を満たした時───
そこには何もありませんでした。
いつもの自分の部屋です。
先程、布団の中に飛び込んで来た「冷たくてぬるっとした何か」の痕跡を探そうと、自分の体や布団に手を当ててみましたが、濡れた後はありません。
冷たくてぬるっとしていても、濡れているとは限らないんですが、この時は「濡れた何か」という印象でした。
その後、しばらく茫然として布団の上に座り込んでたんですが、困った事になりました。
トイレに行きたくなったんです。
実はこの話、十何年前の話でして、当時社会人一年生だった自分は、横浜の某アパートで一人暮らししてたんですよ。
トイレに行くには、キッチンを通らなくてはならないんですが、何とそのキッチンに誰かいるんですな。
引き戸一枚隔てたキッチンからは、はっきりと人のいる気配が伝わって来ます。
しかし、自分の膀胱は限界に達してました。
自分は意を決して引き戸を開けると、キッチンに踏み込みました。
が───
そこには、誰もいませんでした。
今度は人の気配がトイレの中に移っています。
ここまで来たら、もうヤケクソですよ。
そのまま一気にトイレのドアを開けて、用を足すとまたキッチンを通って部屋に戻りました。
そして、布団の上に座り込むと、再びキッチンからは人の気配が伝わって来ます。
一体、何だって言うんだ───。
やがて、蛍光灯点けっぱなしで、布団の上に座り込んだままの夜が明けました。
翌朝、出社した自分は(当時は、ホントにまともな社会人だった)、会社の同僚に片っ端から、この恐怖体験を話した訳です。
だって、恐怖は人に分け与えるに限りますから。
すると、思わぬ人物から意外なリアクションが返って来ました。
彼女は、サラサラッと筆ペンでお札を書いたかと思うと「それはかなりヤバイから、この札を枕元に置いて」って言うんですな。
相手はバリバリのヤン姉だったんですが、何でも子供の頃から霊感が強くて、霊が見えるって話なんですよ。
しかも、霊を引き寄せる体質らしく、年中タチの悪い霊に憑きまとわれているため、バッグの中には常にお札と清めの塩を入れてるんだとか……(汗)。
霊なんて露ほども信じてないように見えた彼女から、「実は霊媒体質だ」と打ち明けられたのは意外でしたが、その時はそのお札をありがたく頂戴して帰宅しました。
で、このお札なんですが、目茶苦茶効いたんですよ。
帰宅すると、やはり誰もいないはずの部屋からは人の気配が伝わって来たし、深夜になると空気がピリピリし始めて、「今夜も来るなあ」って雰囲気だったんですが、枕元にお札を置いて寝たら、何事も無く安眠出来ました。
そして、数日が過ぎた頃には妙な気配も消えて、金縛りに遭う事自体無くなった次第です。
後で聞いたら、書いて貰ったお札には、並の霊なら名前を聞いただけで近寄れなくなるような、とても強い霊の名前が書いてあったそうです。
おそらく件の霊は、昔、戦で死んだ落ち武者達の霊なのではないかとの事。
ああ、そう言えば、ピッタリしたズボンに見えたのは脚半で、長髪は蓬髪だったのかなあ……などと思ったり。
まあ、これはずいぶん昔の話なんですけど、こんな体験をしたお陰で、「恐怖新聞」がパチスロ化した際は、ネタとしても触る気になれませんでしたねえ。
この機種、液晶演出とか、めっちゃ怖いんですけど!?
開発中に、メーカーでは怪奇現象とか起きなかったんですかね?
ほら、映画や漫画で良くあるじゃないですか?
この手の作品を製作中に事故が多発して、お祓いしてもらったみたいな?
そう言や、「熊酒場」も怖い台でしたよね?
引き戸ガタガタが、ポルターガイストみたいで、もう……(汗)。
ああ~、怖っ。
てな訳で、無理矢理スロネタに繋げた所でおしまいにしましょう。
ではでは。
ヘ(`∇´ヘ)~