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【枠下蒼7】
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『萌えパチ業界万華鏡~焔』
裏の世界で生きる その3
掲載:2008/12/27 01:30

一生迷ってろ…! そして失いつづけるんだ、貴重な機会を…!@枠下蒼7っす。

まさに、自分のことですな。
未来永劫、迷い続けます。

犬の脱走により、少し開いてしまいましたが、最終章です。

【名無しさん】
『早く続きを! あと、こうゆう話は沢山してください。俺に身の危険はないので・・・(笑)』

ええ、そうですとも、身の危険はありませんよ。
俺は・・・どうだろ?
あの話をしたら、やばそうだけど。

他にも数名の方より、続きを!とメールいただきました。
妙にプレッシャー感じてしまうんですけど。


前回のあらすじ
起死回生を狙った裏モノ販売。
開店初日、無事終了・・・と、ならず社長とカバン屋さんだけでなく従業員まで呼び出し。
「出ない、出るようにしろ!」と先方のオーナー。
朝までカバン屋さんは裏プログラムの修正。
自分らは、大当たりを引いて即やめ。
つまり、連チャンの可能性がある状況を全台に仕込む。
日の出とともに、仕込み終了、さてどうなることか・・・・・


入れ替え2日目の朝を迎えました。
自分を含む従業員一同は爆睡中。
社長とカバン屋さんはホール事務所です。

お昼ごろに社長の電話で目覚めます。
状況を聞くと、やはり稼動が悪い・・・と、いうか最悪だそうな。
その2でも書いたように、データ機器が不十分なのも理由のひとつです。
この地域は全国的にデータ機器が原則設置を禁止されていた唯一の場所です。
多少、緩和されデータ機器が導入され始めましたが、ナンバーランプと一体化したシンプルなものばかり。

例えば、2000回転でBIG10回の台があったとします。
ナンバーランプには「10・2000」って感じで表示されます。
これだけで、裏モノだとわかるでしょうか?
平均して10回出たなら、ノーマルっぽい。
しかし、1900回はまって、100回転で10回当たれば裏モノっぽい。
この判断材料に乏しいわけです。

次に機種情報の乏しさ。
全国でもほとんど設置されていない機種でした。
珍しい機種=裏モノって図式はありますが、それは雑誌などである程度取り上げられてのことです。
お客にとっては、正体不明の裏モノかもしれない機種って認識では打ってくれません。

そして、ゲーム性の崩壊。
メーカー添付のシールには「○○が揃うとボーナスチャンス」みたいなことが書かれていました。
一応、ノーマルのゲーム性が解除率の異なる小役があり、ボーナス後の高確率ゾーンでは解除率アップというものです。
しかし、裏モノであるが故に、小役解除など存在せず単に打ち込むだけになってました。

さて、そういう理由もあって稼動は最悪なままです。
そして、社長から出た指示は・・・・
「お前ら、打って来い」でした。

お客となって打ちなさい。
ボーナス後、連チャンしたらやめなさい。
一般客に連チャンゾーンを打たせて、裏モノだとわからせなさい。

つまり、エサをばら撒けと。
あ、軍資金は会社から出ました。
換金はするなって言われました。
何が楽しくて、こんなスロを打つのか・・・

この効果があったのか、夕方移行は稼動が若干回復しました。
しかし、所詮は付け焼刃、すぐにメッキは剥がれてしまいました。

それから数日後、社長が再び呼び出されました。
なんでも、ちょっと普通ではない事務所で話しがあったそうです。

さらに、数日後。
会社の倉庫に「機動戦士ガンダム第08MS小隊」36台がうず高く積まれていました。

最終的な話で、
・納品した機種を全部引き取る
・機械代は支払わない
・穴が開いた場所に入れる機種を無償で用意する
この3点だそうです。
つまり、引き取った機種と穴埋めする機種の機械代を全額負担です。
ざっと2千万ぐらいの損失です。
会社所有のベンツとセルシオを売り払って、一部代金にあててました。

こんなことがあって、会社の屋台骨は大きく揺らぐのでした。
しかし、こんなことで終わるような会社ではなかったのです。

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