『萌えパチ業界万華鏡~焔』
裏の世界で生きる その2
掲載:2008/12/13 00:50
勝たなきゃ誰かの養分・・・・@枠下蒼7です。
はい、すっかりホールの養分です。
もう、吸い取られる養分は残っていません。
前回のあらすじ
経営不振により、裏モノ流通に手を出すことになった会社。
その第一弾として、○○県へ「機動戦士ガンダム第08小隊」を納品。
迎えた開店初日、無事終わることを願っていたのですが・・・・
開店初日。
誰もが、お祭り設定を期待する初日。
1日フル稼働で、売り上げも稼動も期待出来る初日。
全36台、失敗出来ない初日。
パチンコもパチスロもですが、当時は開店から数日は担当営業マンが立会いをします。
初日に朝からスーツで見つめている人や、閉店時に事務所へおどおどしながら入っていくサラリーマン、それです。
このホールの場合、特殊な機種(笑)だったので社長が閉店時にカバン屋さんと出向く予定でした。
カバン屋とは、裏モノ屋のことです(怪しい部品の入ったカバンを持ち歩くことに由来)
ところが、事情が変わって自分も含めた全従業員が出向くことになりました。
これはもう、修羅場が容易に想像できます。
社長の話はこうでした。
「とにかく、出てない。客もつかない。ホールはカンカン」
だったら、自分ひとりで行ってくださいよ・・・
ダメな企業ってのはね、社長が最初に逃げるんですよ。
夜の高速を走ること数時間、目的地に到着です。
データカウンターはシンプルな回転数と大当たり回数だけのものでした。
見るからに、回ってないし当たっていません。
事務所から出てきた社長の話では、
「とにかく当たらないし、連チャンしない。
そのくせ、ハマリ単発で、お客が怒って帰っていった」
夕方には、稼動がゼロに近い状況だったとか。
そりゃあ、怒りますわな。
マイナー機の裏モノ。
しかも、裏の流通だから機械台は定価の○割以上。
高い金を払って、これか!
ここで、社員総動員で出かけた理由が判明。
人間打ち込み機でした。
まず、裏プログラムの修正です。
初当たり確率と連チャン率のアップをしました。
あっ、書き忘れていましたが、この機種はノーマルではストック機です。
しかし、裏モノでは強制フラグ成立なので、ストックは無関係です。
この状態で、自分たちがやることは何か?
「全台大当たりさせ、ボーナス終了後の状態にすること」でした。
全台、連チャンの可能性がある状態で開店させるのです。
中身が全くわからない機種で初当たりを引く。
これが、いつまで続く作業になるのか。
全ての台に仕込みが完了したのは、明け方でした。
やれるだけのことはやった。
しかし、何か引っかかる。
あとは、神のみぞ知る・・・・
そして、夜、予想通りの展開となったのでした。
つづく