『ネクスト・ロック・ゲート』
高校野球との共通点
掲載:2016/8/21 12:40
NGT48は、今日で結成1周年。劇場公演も100回目である。
そんな折、数ヶ月前に注文したグッズが送られて来た。
NGT48 個別ウオッチ / 荻野由佳
握手会用の秘密兵器だあね。手を差し出した時に見つけられて、「あっ、それは~♪」的なやつ。
おぎゆかは、いい子である。『パジャマドライブ』公演にはEN01『ラブラブNⅢ!』という楽曲があるのだが、AKB48・チームB歌唱によるこの曲のオリジナルは『ワッショイB!』という。
歌詞の ♪B! B! B! ワッショイ! が ♪N! Ⅲ! Ⅲ! ラブラ~ブ! に差し替えられて『ラブラブNⅢ!』――要するに、公演を行うチームごとに様々なver.が存在する楽曲なのだが、おぎゆかは『ラブラブNⅢ!』になったのは3つの理由があるとこだわった。
かとみなちゃんや、北原キャプテンに言わせると、2つの理由――チームNⅢメンバーとファンのみんながラブラブでいられますようにと、NGT48劇場がある建物がラブラ2だからラブラブである。しかし、おぎゆかはこれにメンバー同士がラブラブでいられますようにとつけ加えるのだ。
誰が聞いても楽曲紹介のMCは、かとみなちゃんと北原キャプテンの方がおさまりがいいし進行も早い。ただ、おぎゆかのMCには深いチーム愛を感じた。
自分は今年の1月に初めてチームNⅢの『PARTYが始まるよ』公演を観た時、「みな迷いなく全力だが、チーム4に比べてチーム感は薄く感じる」と述べたはずだ。
多分、この印象は間違っていない。何故なら2月に収録されたネ申テレビの企画『佐渡で太鼓合宿』では、メンバーの出す音が揃っていなかったからだ。この番組では、シンプルゆえに人の内面を正確に音に反映してしまう太鼓という楽器の恐ろしさと奥深さを味わったのだが、ともかくそういうわけである。
ふと、振りがキッチリと揃った、今の『パジャマドライブ』公演や、今年のAKB48グループ チーム対抗大運動会の大縄跳びで、73回(SKE48・チームKⅡと同点優勝)を跳んだチームNⅢの結束を見ると、その底辺には、おぎゆかのこだわりが流れてるんじゃないかと思ったりね――。
苦労して、やっと48グループに入って、自分の所属するチームを良いチームにしようと奔走し続ける、おぎゆかは報われて欲しいと願わずにはいられないメンバーである。
てか、エイトさんが熱闘甲子園の応援ソング『光と影の日々』について、「AKB48じゃ感情移入できねぇっつーーのおおおっ!」と書いているのを見て、世間一般の印象もこんなもんなんだろうなあと思ったんだけど、自分に言わせればAKB48ほど応援ソングを歌うにふさわしいグループはないですよ。だって、AKB48の魅力は高校野球と同じものだもの。
高校野球を球児のスキル重視で観てる人っています? せいぜい、プロ野球のスカウトマンぐらいでしょ? いちいち野球スキルの低さを指摘しながら観てる奴がいたとしたら、それは「無粋」って話。
スキル的な低さはあっても、それを補って余りある高校球児の全力プレイに感動し涙を流す日本人には、アイドル文化を許容する精神的な土台ができ上がっていたんじゃないだろうか? だからこそ48グループの隆盛があるのだと思う。
まさか、そうした精神的な土台を持ちながら「アイドルだからバカにしてもいい」「高校球児だからバカにしちゃいけない」なんて、コンテンツの看板を見て所作を決めてる奴はいないよな!? 相当浅はかだぞ、それは。
ちなみに、『パジャマドライブ』公演のM01『初日』は、甲子園出場各校の応援席でブラスバンド部が演奏する定番楽曲である。
歌詞 ♪夢は汗の中に 少しずつ咲いて行く花 その努力 決して裏切らない~ は、まんま高校野球の世界観じゃないか。
YouTubeか何かで聴いてみりゃいいんだよ。「ああ、この曲か」ってなるし、自分がAKB楽曲とは知らずにメガホン振り上げてたことに気づくから。