『ネクスト・ロック・ゲート』
仮面ライダーアマゾンズ
掲載:2016/6/22 09:50
今日は前日以上に書くことがない一日でした。新規巨大なO店向かいのD店で、前日の
リング 運命の日FPWZを打ってみるも回転率が上がらず17.xG/1kというところ。
調整は変わっていないように見えるので、今日が下ムラか前日が上ムラかは分かりませんが、パチンコにはたまにこういうことがあります。
深く考えても仕方ないので、
着信アリ /
パトラッシュJなど導入直後より開いて見える機械を試すも話にならず、半日稼働の末撤収することに――。
着信アリ
てなわけで、お題の作品について語ります。Amazonプライム・ビデオにてネット配信される本作は、プロデューサーの白倉伸一郎を始め、田崎竜太、小林靖子といった、平成シリーズの礎を築いたスタッフが再集結した、久々に語れるライダーですので。
配信するネット通販大手社名とのタイトル被りから、企業宣伝用に作られたリメイク作品と思っちゃいけません。ヒーローのデザインと名前が踏襲されているだけで、世界観から登場人物まですべてが一新されたリブート作品です。
イントロダクションはこんな感じ。
野座間製薬の事故により、街に解き放たれた「アマゾン」と呼ばれる実験体はおよそ4,000体。彼らは社会に溶け込み、密かに人を喰らい続けていた。
主人公・水澤悠は野座間製薬で特殊研究開発本部長に就く水澤令華が、実験体や自らの意志で自身にアマゾン細胞の移植を行ったもう1人の主人公・鷹山仁とも異なる「第三のアマゾン」として作り上げ、自宅に養子として匿っていた存在である。
アマゾンの本能を抑えるために投与されていた制御薬を拒んだある日、悠は何かに導かれるようにアマゾンとそれを駆除するノザマペストンサービス、仁の戦闘現場に現れる。そして、仁のアマゾンアルファへの変身に呼応し、自分もアマゾン態へと変貌を遂げてしまう。
人であれば連続殺人犯であっても守り、アマゾンであれば人喰いを行っていなくとも「狩る」という仁とノザマペストンサービスの線引きや、令華のアマゾンに対する身勝手なやり様に反発しながらも、悠はアマゾンオメガとして戦いに身を投じ、自分自身と向き合って行く――。
要するに自分探しの物語なわけですが、さすが、やすこにゃん(小林靖子)の脚本。一筋縄ではいかない仕掛けが打たれてました。それは、「M」の識別コードで野座間製薬に管理され、ノザマペストンサービスでアマゾンの駆除に当たるモグラアマゾン = マモルです。
(ここから、ネタバレ注意!!)
マモルがノザマペストンサービスにいる理由は「チーム」と「ハンバーガー」のため。公式サイトのキャラクター紹介にも「チームとハンバーガーをこよなく愛する、純粋な心の持ち主」という記述があるんですが、チーム = 社会的欲求(帰属欲求)、ハンバーガー = 生理的欲求ですよね。
要するに、マモルは低次に分類される三階層以下の欲求しか持たない存在なわけです。ゆえに純粋。そして、その純粋さがアマゾンと人の間で揺れ動く悠とノザマペストンサービス駆除班リーダー・志藤真との確執を阻止し、最強の敵・アマゾンシグマ討伐においては一助を担うことになるのですが、彼は物語の最終局面で暴走します。
アマゾンの本能が目覚めてしまい、駆除班の仲間・三崎一也に襲い掛かって、その片腕を食したマモルは逃走。悠や仁同様、アマゾン駆除作戦「トラロック」の毒霧の中に消えて行った、というのが現在の状況です。
欲求の第四階層にある「尊厳欲求(承認欲求)」と向き合い、自分はどうあるべきか考えたことのない奴はヤバイわなあ。どうすれば認められるのか? どうすれば尊敬されるのか? ――それだけを考えて実行してる奴は本気でゲスいけどね。
おそらく、大概の視聴者は純粋な心の持ち主が「人喰い」に堕ちて行く悲劇性だけを見ていると思います。しかし、それだけでは片付けられない問題作が『仮面ライダーアマゾンズ』です。
7月3日の深夜1:00からBS朝日にてTV版の放送が始まりますので、見ていただければと思います。
これって、かなり異例なことなんですよ。ライダー版権には「一時代一媒体にライダーは一人」みたいな決まりがあるらしく、村枝賢一師の漫画『仮面ライダーSPIRITS』は映像化や商品化一切NGの条件で使用許可が下りたものですし、2005年の映画『仮面ライダー THE FIRST』は同時期の映像作品『仮面ライダー響鬼』がライダーらしい記号をあまり持たないライダーだったため「共存が可能」と判断され制作できたものです。
3年ぐらい前、「ニューギンが『仮面ライダー響鬼』の版権を落とした」なんて噂が出たことがありましたね。
この時は、
ぱちんこ仮面ライダーV3が現役なのに、よく版権の使用許可が下りたもんだと感心した覚えがあります。結局、出て来たのは細川茂樹主演のパチンコ・
眠狂四郎でしたが――。
プロデューサー・白倉伸一郎が「他のライダーと共演できないくらい突出した存在になりたいし、なっていると自信をもってます」と語る作品ゆえにTV放送の許可が下りたのではないかと推測してますが、本作はライダーファンなら見るしかありません。太鼓判押しときます。