『ネクスト・ロック・ゲート』
全力ダンス教室とか舞台とか
掲載:2016/4/15 11:40
先日、『AKB48SHOW!』のブログで「西野未姫の全力ダンス教室」コーナーができた理由が明かされました。
昨年の41stシングル 選抜総選挙が終わった後の企画会議で
「なんで西野未姫ちゃんがランクインしないんだろう?」
「ファンの目が節穴なのか?」
「メディアの伝える力が足りないのだろうか?」
という話になったそうです。
――西野未姫の「人間性」おそるべし!!
普通、こうはならないでしょう。選抜総選挙の議席数は現在80席。昨年の立候補者数は272名。つまり、70.6%ものメンバーが圏外なわけで、ランクインできなくても全然おかしくありません。
その当たり前の話が、日常的にメンバーと接触しているTV番組制作スタッフの間では「この子がランクインしないのはおかしいから、この子の魅力がもっと伝わるコーナーを作ろう」という話になるなんて――!!
西野未姫は難しい子なんだよな。一見での印象と内面が乖離していて、スタッフが買う「西野未姫の良さ」が伝わっていないと思うことは自分も多々あります。
とりあえず、2014年の全国ツアーの追いかけ本でチーム4の楽屋カメラを務めたのは西野未姫である。出版元の編集者が「誰に楽屋カメラをお願いしたら良いか」をオフィシャルカメラマンに相談したところ、真っ先に勧められたのが西野未姫だったのだそうだ。
理由は、先輩後輩を問わずメンバー誰とでも仲が良く、やることはちゃんとやる「しっかり者」だから――。
「西野がしっかり者!?」と思う人が多いだろうが、西野はしっかり者なんだよ。物事の表面しか見なかったり、言葉が絶対などと思っている人に西野未姫の人間性は見えない。
特に「言葉」は雑音まみれだからねえ。受け取る側にノイズリダクション機能がついてないと全然ダメなんだよ。
「話せばイイ奴」なんて世の中に山ほどいるだろ? それって、クソ野郎に丸め込まれてないか? てか、「話せば分かる」なら、エスペラント(世界共通言語)が発明された時点で世界平和達成だって!
そんなことを思った昨日、行って来たのは――
東京都・品川区
品川プリンスホテル クラブeXにて上演された、舞台『絢爛とか爛漫とか』です。
『絢爛とか爛漫とか』
周りをすべて客席に囲まれた、360°逃げ場なしの円形ステージで演じられる昭和初期の文士たちの青春グラフィティー。
これに挑戦したのはAKB48・宮崎美穂 / 島田晴香 / 岡田奈々 / 大島涼花。
岡田奈々は西野未姫と対をなす『三銃士』のもう一方の翼である。岡田奈々が出演するから、この舞台のチケットを申し込んだのだ。
ちなみに飯島早苗:作のこの戯曲は、日本中の劇団が何度も舞台化し演じて来た名作らしい。自分は演劇に暗いのでそんなことは知らなかったし、岡田奈々たちが演じたこの舞台が先達たちと比較してどのくらいのレベルだったのか評価することもできない。
だから、あくまでも個人の主観で言わせていただくと「感動」した……。
昭和初期という時代設定のため、使い慣れない言葉が並ぶ超絶長セリフの連続。登場人物たちが「文士たち」ということで、まんざら縁がない世界でもないし、セリフに触発されるような言葉が入っていると、自分の思考はそれに関連する方向に飛んで行くのだが、そんなことお構いなしに舞台は進行する。
もはや、これは観客と役者の真剣勝負だ。
本当にみんな良かったと思うよ。島田晴香は「初舞台」とはまったく思えないし、宮崎美穂も、大島涼花も、普段の自分とは異なるキャラクターを見事に演じていた。岡田奈々演じる「野村文香」は普段の自分に通じる部分が多かったように感じるのだが、AKB48のステージでも何かに憑りつかれたようなパフォーマンスを見せる岡田奈々――。
自分が書いた小説の筋を、身振りを交えつつ延々と語るシーンは圧巻。実は「歌手」より「舞台女優」向きなんじゃないかってなことを思いました。
評論しようとするならこうした見方をしてはいけないのだが、推しメンを中心に見てしまっているのは勘弁してください。ともあれ、歌って踊るだけがAKB48ではないということで――。
通常の公演ばかりではなく、舞台にも足を運んでみるとよろしいでしょう。