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【ザッシュ】
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『ネクスト・ロック・ゲート』
『M.T.に捧ぐ』
掲載:2016/2/12 10:05

ついに初日を迎えたAKB48・チームA、5年半ぶりの新公演『M.T.に捧ぐ』――。
 
国民的アイドルグループと言われているが、AKB48本来の姿は地下アイドルである。要するにブレイク前の場所に戻って、横山由依総監督の元、新たな一歩目を踏み出したと言ってよい。
 
 
 
『M.T.に捧ぐ』
NGT48劇場にあったポスター
 
 
 
しかし、凄いね。『M.T.に捧ぐ』はチケット代金が@3,900円に上がったので想像はしていたが、レーザーやスモークなど、舞台演出は過去の公演にない豪華さだ。
 
 
M00 : overture
M01 : 始まる。
M02 : Prime time
M03 : 探してあげる
M04 : ラベンダーフィールド
 
 
幕が開き、黄色のテープで封鎖されたステージの奥に並ぶのはミリタリー調の衣装に身を包んだメンバーたち。
 
横山由依から、運営の判断で劇場での新公演がずっとストップしていたことに対する抗議が述べられ「M.T.」のシュプレヒコールが発動。そして、骨太なロックナンバー、M01が『始まる。』
 
手振りに特化したダンスナンバー、M02『Prime time』は観てて楽しくなること請け合い。M03『探してあげる』はスピリチュアルな曲調の新境地。バックライトとセリを使った演出が大胆だ。
 
でも、ちょっと革新的すぎやしないかと思ったところでキターッ! 薄紫色のフェミニンな衣装で踊るM04『ラベンダーフィールド』は、MIXを打つことを前提に作られたAKBフォーマット。イントロでは誰も反応できていなかったが、次回から間違いなくこの曲では「あー、よっしゃいくぞおー!」だろう。
 
 
MC 1
 
 
曲間のMCも大胆な構造改革がなされた。MC1は全員で自己紹介だったのだが、本公演ではすべてのMCが4~5人のメンバーによるグループトークになったのだ。
 
個人的には、M09『負け男』の歌唱メンバーによるMC2が最高。楽屋で着替え中のメンバーを誰か1人、無理矢理ステージに引きずり出していじろうという趣向なのだが、率いるのは誰にでも噛みつく狂犬・宮崎美穂である。それに付き従う犬は、中西智代梨 / 小笠原茉由 / 大家志津香……全員バラエティー班だ。
 
この日、楽屋から引きずり出され、狂犬たちの慰みものになった哀れなウサギはチーム8からの兼任メンバー・山田菜々美。本当に気の毒だと思うのだが、腰の低い山田が先輩メンバーに囲まれ、オラオラで攻め立てられて平身低頭する様には大爆笑してしまった。
 
ともあれ――
 
 
M05 : リスケ (小嶋陽菜 / 島崎遥香)
M06 : 制服ビキニ (大和田南那 / 樋渡結依 / 山田菜々美)
M07 : She's gone (入山杏奈 / 白間美瑠 / 佐々木優佳里 / 谷口めぐ)
M08 : 夢でKiss me ! (宮脇咲良)
M09 : 負け男 (宮崎美穂 / 中西智代梨 / 小笠原茉由 / 中村麻里子 / 大家志津香) ※バックダンサー = イワタカ・レン(岩田華怜)
M10 : 月と水鏡 (横山由依)
 
 
M05『リスケ』はスクリーンに映し出されるサンドアート含め、女子人気が高くなりそうな楽曲。M06『制服ビキニ』の衣装は曲のタイトル通りで品がない。が、そこがいい。M07『She's gone』は『誘惑のガーター』のアップデート的なパフォーマンス。M08『夢でKiss me !』は宮脇咲良のザ・アイドル曲。M09『負け男』は宮崎美穂曰く「勝ち女になりました~!」だそうです。M10『月と水鏡』は横山由依にじっくりと歌いこんで行って欲しい曲。今年の年末のAKB紅白のトリはこの曲な気がします。
 
 
MC 2
 
M11 : 門前仲町ダンス
M12 : 今夜、グロリアは誰に抱かれる?
M13 : コピー&ペースト
 
 
ユニット曲明けの全体曲・M11『門前仲町ダンス』はクラブのダンスミュージック。どことなく哀愁ただようこの曲は、たまらないオジサンがいるのでは? その流れで攻めるM12『今夜、グロリアは誰に抱かれる?』ではブラックライトが効果的に使われ、M13『コピー&ペースト』はマーチ。セリを上げて寝そべったり、テーブル代わりに肘をついてのパフォーマンスが楽しい。
 
 
MC 3
 
 
そして――
 
 
M14 : M.T.に捧ぐ
 
 
公演の表題曲、M14『M.T.に捧ぐ』 言うまでもなく「M.T.」とは前総監督・高橋みなみのことである。あなたから、いつか褒められたい――この公演は、制服アイドルとしてスタートしたAKB48の到達点。原点である『PARTYが始まるよ』を新潟で観て来たばかりなので余計にそう思う。『M.T.に捧ぐ』では制服系の衣装がほとんどないのだ。
 
 
アンコール
 
EN01 : ショーは終わらない
EN02 : ウィンクの銃弾
 
MC 4
 
EN03 : 涙はいつの日か
 
 
客席からのアンコールを受け止めた、EN01『ショーは終わらない』はポップチューン。金色の衣装の背中でフルフル震える羽根を外した後は、腰のホルスターから銀色のオートマチックを抜き放ち、EN02『ウィンクの銃弾』を撃ちまくる。EN03『涙はいつの日か』は、客も手振りでパフォーマンスに参加してのにぎやかなクロージング。
 
NMB48のドキュメンタリー映画『道頓堀よ、泣かせてくれ!』を手がけた船橋淳監督は、撮影時にチームMの公演を観て「女のコたちが発する圧倒的なエネルギーに鳥肌が立った」と述べてましたが、いつの時代もライブの魅力は不変。MP3の普及で音楽のリスニング環境はダウンロードが主流になり、CDが売れない時代になってもライブの動員力は変わらない。
 
いつの時代も不変と言える娯楽の本質から目を背け、躍進の鍵となった大型版権の集客力に頼ろうとするパチンコ業界って阿呆なんだろうか……?
 
最後に、自分はこの公演を観て、ある危惧を抱くに至ったことを述べて記事の締めくくりとしたい。その危惧とは、春の高橋みなみ卒業セレモニー辺りで大きな爆弾が博多に落ちるのではないかということである。
 
爆弾の型式は、HKT48→AKB48 : 宮脇咲良・完全移籍――!!
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