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惰眠を貪る事、継続中――。
 
しかし、アレだねえ。年末はレコ大 / 紅白 / CDTVの年越しLIVEとTV漬けになってたんだけど、アーティストの先生方が男と女の惚れた腫れたと青春サクセスストーリーを滔々と歌い続けるのを聴いてて「日本は大丈夫か!?」と思ってしまったよ。
 
2015年は過激派組織ISによる日本人殺害 / パリ同時多発テロという大きな事件が起きたというのに、それに対して楽曲でメッセージを発信したのはAKB48だけじゃねえか、と。
 
ちなみに、紅白の戦後70年特別枠でMISIAが披露した『オルフェンズの涙』は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のエンディング曲である。
 
海外が日本のアイドルやアニメ文化を「クール・ジャパン」と評するのは正しい。今の時代に語らねばならない事をきっちり語っているのは、これらのサブカルチャーだけだもの。
サブカルチャーとは言え、世間一般の知名度が高くなれば果たさねばならない役割があるはずで、その中でウケるためだけに活動してる連中って本当に志が低いと言うか、オレ的にはこいつら堕落してんなーとしか思わんのだよね。
 
ついでに、紅白は昨年の嵐と『妖怪ウォッチ』のコラボに続いて、今年は岩手県山田町とSMAPかよ、と。
 
放っとけばAKB48に当たってしまうスポットを意図的に捻じ曲げるNHK(それともジャニーズか?)は、何なんだと言いたくなる。嵐もSMAPも実績を捏造&急造しなきゃならんほど活躍していない連中じゃないだろうに。
そもそも、コンサートの動員力じゃ嵐よりAKB48の方が格下である。あまり格下をいじめるなよ。
 
てなわけで、今日の雑談はAKBネタに振るか、ガンダムネタに振るか迷ったんですが、BS11でも1月3日19:30から放送が決まったり、振り返り特番が組まれたり、流れが来ているようなので『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に振ってみましょうか。
 
以前、作中に登場するガンダムフレームを採用したモビルスーツの名称は、全て「ソロモン72柱」の悪魔から取られており、今作のガンダムは本当に「白い悪魔」なのだと書きましたが、それ以外にもSF小説読みからするとニヤリとする韻が至る所で踏まれているのですよ。
 
例えば、タイトル――。
 
シリーズの原点である『機動戦士ガンダム』は、ロバート・A・ハインラインの小説『宇宙の戦士』が着想の元になったのは有名な話ですが、この作品の副題「鉄血のオルフェンズ」で「21世紀版・宇宙の戦士」と言われている作品を思い出しました。
 
 
 
 
 
 
オルフェン(orphan)は孤児。複数形だから「孤児たち」ですね。で、「鉄」と「血」が象徴するものは「軍隊」なので、まんま「鉄血のオルフェンズ」=「孤児たちの軍隊」です。
これは着想の元になったと言うより、「21世紀版・宇宙の戦士」と言われる本作に対して、『宇宙の戦士』を着想の元としてるガンダムが捧げたオマージュであり、今の時代のファーストガンダムたらんとする制作者の意気込みのような気がします。
 
実際、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』はいつの間にか日本でも普遍的なものになっていた「貧困」にスポットを当てているし、登場人物に「信用できない大人」が多いのも今の時代では語っておかねばならない事だと思います。当業界のメディアは言うに及ばず、一般メディアでも紅白みたいな事が行われているし、大人が卑しい姿を晒すなよと言いたくなります。
 
「分からないだろ?」は子供をバカにしすぎ。分かった子供は、「世の中って、それでいいんだ」と思います。ふざけんじゃねーぞ、クソッタレがっ!
 
なお、数少ない「信用できる大人」 = 名瀬・タービンが複数の夫人を持つ多重婚者なのは、多分ハインラインへのオマージュでしょう。「一夫多妻制」は晩年のハインラインが好んで書いたテーマですから。
 
……アイドル業界にもいたな、一夫多妻制ユニットが = 清竜人25。やはり、「クール・ジャパン」をナメちゃいけません。
 
何はともあれ、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』――「孤児たちの軍隊」だの「貧困」「信用できない大人」だのと、鬱なイメージを持った言葉ばかり並べてしまいましたが、この物語の始まりにはボーイ・ミーツ・ガールも含まれております。「信用できない大人」がボコボコにされる痛快な話もあるし、そういう意味では王道エンターテインメントと言えるでしょう。そうした所だけじゃなく、鬱な部分もちゃんと見て欲しいですけどね。
 
悪魔の名前を冠した機体に身をゆだねた「孤児たちの軍隊」は、はたしてどこに向かうのか――。
 
観ていなかった人も大丈夫。先に述べたBS11では第1話から放送されるようですし、振り返り特番はTBSで1月6日27:11～ / MBSで1月9日28:18～ に放送されます。

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