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【ザッシュ】
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『ネクスト・ロック・ゲート』
これは滅びではない、新たな希望である!?
掲載:2016/1/1 11:05

あけましておめでとうございます。
 
昨年末はS店が予想外の好状況で、サッパリ休みが取れなかった分、惰眠を貪っております。『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』でも観に行っちゃったりしようかなーとも思ったんですが、SFを大仕掛けの活劇としか見ていない世間の風潮に迎合するようで、今、混雑する映画館を訪れるのは面白くありません。
 
一般小説は「人」を書き、SF小説は「社会」を書く――。
 
SF小説読みだった自分としては、SF作品とはこうあるべきものですから。
 
例えば、『蒼穹のファフナー』で敵として描かれるフェストゥムに「個」の概念はありません。ゆえに、自分自身を「我々」と称します。「個」を失った存在が「あなた(個)はそこにいますか?」と問いかけながら、「個」を奪いに来る(同化)のだから、フェストゥムとはイデオロギーや価値観の暗喩である事が分かるでしょう?
 
ファフナーの世界に日本はありません。新国連が瀬戸内海ミールによって受胎能力を奪われた日本人をフェストゥムと同一視し、日本への核攻撃を決定。その結果、北海道の半分と沖縄を残し列島自体が消滅してしまったからです。アルヴィスとは、生き残った日本人が建造した全長60kmに及ぶ巨大潜水要塞艦の事であり、竜宮島は、その水上部分に設けられた居住区の名称です。国を失った日本人たちは偽装鏡面の陰に隠れながら、懸命に敵意に満ちた世界と共生する道を探すのです。
 
TV第2シリーズ『蒼穹のファフナー EXODUS』は悲惨な話でした。竜宮島は沈み、日野弓子は瓦礫で圧死。堂馬広登はレーザーに焼かれ、羽佐間カノン、西尾暉は同化現象の末にいなくなり、皆城総士も存在と無の地平線に消えたし、ヒロイン・遠見真矢は人殺しになった……。
 
ビリー・モーガンが撃つはずだった銃弾と、日野美羽の「みんなを守ってくれてありがとう」という言葉、どちらが真矢にとって救いだったのか?
 
しかし、世界樹・アショーカの再生と引き換えに何もかも失ったこの状況を、竜宮島のコア・皆城織姫は「一番希望に満ちた未来にたどり着いた」と祝福し、司令官・真壁史彦は島を離れるボートの中で「これは滅びではない、新たな希望である」と宣言します。
 
今の時代、頑張れば明るい未来が待っているなんて若者に教え込んだらロクな事になりません。ロクでもない時代に抗い、共生できる「個」になる事を教える方がいい。
 
 
 
これは滅びではない、新たな希望である!?
蒼穹のファフナー EXODUS / Blu-ray1~7巻
 
 
 
おそらく、『蒼穹のファフナー EXODUS』は続編が作られるでしょう。その続編では、竜宮島が再び海上に浮かび上がる事があるかもしれません。ただ、重要なのはその竜宮島は以前と全く同じ竜宮島ではないのだという事です。
 
自分が昔は良かった的な話を毛嫌いするのは、それを言う人間は大概良かった事だけを抽出して語るばかりで、それが良いものであった理由や状況を考えてないからなんですけどね。
 
前世紀末~ゼロ年代初頭、スペックの低いパチンコが客で賑わっていたのはホールが甘く扱ったからだし、甘く扱えた理由はアレジンやエキサイトなどの爆裂アレパチに確変2回ループ機がホールのドル箱になっていたからです。それらの機械が撤去された後はパチスロがドル箱になりました。
 
MAXタイプ規制にAT&ART機規制――ホールはドル箱不在の現在でも、低スペック台で当時と同じ扱いができるのだろうか? 今のホールには粗利が取れない「低貸営業」という業態がすでに根付いているのに……。
 
また、現行機種のモーニングは朝イチ専用演出を設けるのが精一杯だし、広告宣伝規制でメールや折り込み広告を使った出玉煽りもできません。機種スペックが当時に戻っても、その機種を運用する環境は大きく異なります。機械のスペックを戻すだけで業界が活気を取り戻すなんて、今まで機械任せで大した営業努力をして来なかった人間が考えそうな事だわなあ?
 
業界が活気を取り戻すには、まず還元率を古き良き時代同様の90%に戻す事から始めなければなりません。そのためにはメーカーが仕掛ける過剰な入替競争から脱却する必要があります。パチンコもパチスロも、面白さが伝わらないまま撤去されて行く機械が山ほどあると思うんだけどねえ?
 
これは滅びではない、新たな希望である――。
 
2016年は、昨年から続くこの騒動が業界にとってそう言えるものになる年であって欲しいと願っておりますよ。
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