『ネクスト・ロック・ゲート』
パレートの法則との戦い
掲載:2015/9/7 08:35
かなり以前に、ミツバチの話をした事があります。
働き者に思えるミツバチも実際に働くのは巣の25%ほどで、残りの75%はグータラしている。この25%のミツバチを集めて巣を作れば素晴らしく生産性の高い巣ができると考えた養蜂家が、働き者のミツバチだけを集めて巣を作ってみたところ、そのミツバチたちは急に怠けはじめ、やがて25%程度のミツバチしか働かなくなってしまったという内容です。
これは人間の場合『2-6-2の法則』と言うらしい。
■左の2 = 実績・生産性が高く、積極性に優れたグループ。
■真ん中の6 = 左右どちらの2にも属さない、平均的なグループ。
■右の2 = 実績・生産性が低く、積極性を持たないグループ。
人が集団やグループを形成すると、自然発生的にこうした内訳になるのだそうだ。
いくらブロガーを増やしても更新するのが数人になってしまうのは自然の摂理だったんかっ!
そして、この『2-6-2の法則』は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した『パレートの法則』の変形・派生型らしい。
■売上の8割は、全顧客の上位2割 / 全商品の2割の品目によって作られている。
■仕事の成果の8割は、費やした時間の2割の中で生み出されている。
■所得税の8割は、課税対象者の上位2割が担っている。
下2つはともかく、これってまんまコンビニの戦略とホールの現状じゃないか!
コンビニは売れない商品がどんどん店頭から消えて行きます。売り場面積が狭く、置ける商品が限られているので、少数の支持しか得られない商品は置く余裕がないのです。
おかげさまで、「今月は西野となぁちゃんのインタビューが載ってるから『BUBUKA』買わねーと」と発売日に3軒回ったのに置いてなくて、結局、本屋で買いました。
セブンもファミマも置いてやがらねえ !
ホールは……
昔、全く違う観点から書きましたよね? 「入替を繰り返しても客は新台から新台に移るだけ。全てのメーカーが牙狼並みの機械を作れば、やがてホールは客でいっぱいになるなどあり得ない」と。
改めて言います。『パレートの法則』により、いくら入替を繰り返しても売上の8割を賄うのは店内遊技機の2割だけです。2割を追う事に固執し過ぎず、残りの8割の底上げをする施策こそ、これから必要なものじゃないでしょうか?
ふと、旧台のリピーター管理をしている別格に優良なO店wを思い出しました。
ちなみに、ネット環境では『パレートの法則』が崩壊してます。Web通販大手amazonの売上の半分以上は、年に数点しか売れない本やCDたちで締められてますもんね。
要するに『パレートの法則』が適用されるのは、現実の箱で囲まれた有限の環境のみだって事です。
その有限の環境が戦場であるホール企業――
どこまでWeb環境に迫れるか。これからホールがしなければならない戦いには、こうした戦いも含まれます。
業界を俯瞰する位置から『パレートの法則』の8割の方、『2-6-2の法則』の右2つの底上げをする方向に攻略メディアが存在するなら、自分もライターに対してこんなに批判的にはならないんですけどね。
「新台の導入は適正台数で」と主張するライターは自分たちの組織がどちらの数字についたのか理解していないし、逆に「買い渋るな」と言うなら、その営業モデルはとっくに崩壊してます。
解析から手を退き、業界を俯瞰できるポジションを捨てた事が、攻略メディア最大の過ちって事で。