『ネクスト・ロック・ゲート』
「夢」を持つという事
掲載:2015/8/22 12:25
人は「夢」を持った瞬間に呪われる。「夢」というのは呪いと同じらしい――。
そんな物語が語られたのは平成ライダー第4作『仮面ライダーファイズ』での事。
ファイズの敵 = オルフェノクは一度死んだ人間が、ある特定の条件で生き返ったものである。一様に灰色の体を持つ彼らは、自らの望みを果たそうと3本のライダーベルトを奪い合う。
さて――
昨日はチーム4の『アイドルの夜明け』公演が当たったので秋葉原に行って来ました。
AKB48劇場はここの8F
チーム4と8だけ当たるのは「愛の力かーっ!」(ファイズの海堂直也の台詞)
――しかし、今回の当選は考えてしまった。今回はただの公演ではなく、15期生・佐藤妃星(きあら)の生誕祭だったのだ。
通常より当選倍率は高いはずだし、どうしても入りたいファンは「100発98中券」などの裏ワザを使うのでまず当選しないだろう。確率の収束のため試行だけしとこうかと応募したものが当たってしまったのだ。何で?
当選チケットと「生誕祭」演出要項
佐藤妃星なんて知らんでしょ? 自分は劇場デビュー当時から知っている。推しメンの西野未姫が研究生時代にセンターを務めたユニット曲『パジャマドライブ』で脇を固めていたのが佐藤妃星だったからだ。
その当時、小学生だった佐藤妃星は与えられたポジションを器用にこなし、最年少だった事もあって先輩メンバーからもいじられて(可愛がられて)、MCでもそれなりに存在感があったはずなのだが、現在は中学3年生。いじられる事もなくなってしまった。
つまり、与えられたポジションを淡々とこなすだけの子になってしまったという事だ。
やはり、「夢」は呪いと同じなのだろう――。
同期・市川愛美から送られた当たり障りのないメッセージが読み上げられた後、昨年1年間を振り返る佐藤妃星は時折辛そうな表情をした。
アイドルになりたいという「夢」を持ってしまったために要求される代価。
「夢」を持った瞬間は楽しい。楽しんだ以上、代価を支払わねばならない。この世は経済以外の分野でもそういう仕組みになっている。
なお、この支払った代価は投資に変えて配当を回収する事も可能である。呪いを解けばいいのだ。解く方法は「夢」を叶える事――。
「ひょっとしたら儲かっちゃうかもー」なんて「夢」を持ってパチンコ屋に入り、「夢」を持った事に対する代価を支払っている方は覚えておかれると良いでしょう。
人に呪いを与えるばかりで、呪いの解き方は伝えようとしないライターとか、まったく凄え商売だよな。
ちなみに――
西野未姫は変わらない。今年の選抜総選挙で壇上に立つ事はできなかったが、呪いに全力で抵抗しつつ、EN.1『4 Stars』ではオーマイガーッ! な距離に来て ♪いつか 人が指さす 眩しい星に…と歌った。
柱の間も立ち見最前列も取れなかった場合は花道横だね。
峯岸みなみは近くで見るとオーラ出てるわー。岡田奈々はどんどん可愛くなって来るし、茂木忍とは何気に毎回目が合います。キャラに似合わず、お客さん1人1人とアイコンタクトを取ろうとする律儀な子なのだ。
込山榛香は恐ろしい。毎回何かしら声をかけて来ます。わたくし、F22ラプター(世界最強の戦闘機)にロックオンされた複葉機の気分です。
何はともあれ、「夢」を持つという事の功罪を色々考えてしまった今回の当選。生き返った死者たちが、自らの望みを果たそうとベルトを奪い合う『仮面ライダーファイズ』の物語は、つくづく深い暗喩に満ちていると思ったよ。生き返れ、佐藤妃星。
毎度おなじみのオブジェ
AKB48・10周年まで残り108日となりました。これから新体制での劇場公演が始まるし、カウントダウンが終わる前にあと1回くらい当たるといいな。