『ネクスト・ロック・ゲート』
期待値計算と依存症対策
掲載:2015/8/12 11:10
このところ、低貸とか低換金率という話題が続いたので、換金差がある環境での期待値計算をしてみたいと思います。
期待値計算をする上では揃えなければいけない数字がいくつかありますが、正確な数値はシミュレーションによってしか求められないものが1つ存在します。平均投資額です。
計算式の持ち玉比率はこの数字から割り出すんですが、自分は攻略誌の類を見ないので知っている機種が限られます。(要は、その機種に関しては調べた)
よって、知っている機種 =
ぱちんこAKB48 バラの儀式を題材に話を進めさせていただきますので、少々古い機種になりますがご了承くださいませ。
まず、この機種の初当たり確率は1/199です。初当たりごとの平均出玉は3,151コ。この数字は当サイトの機種ページにあります。換金率は3.57円。回転率は18G/1kと想定します。
この場合の平均投資額は36,100円でしたから、18G/1kの
ぱちんこAKB48 バラの儀式は、平均で約650G試行する間現金投資が続くスペックという事になりますね。
では、通常時2,000G試行する事として期待値を計算してみましょう。小数点以下は悪い方に切り上げ / 切り捨てです。
2,000÷199×3,151=31,668.341…
2,000÷18×250=27,777.777…
31,668×3.57=113,054.76
持ち玉比率は 1-(650÷2,000)=0.675
27,777×0.675×3.57=66,935.625…
27,778×(1-0.675)×4=36,111.4
113,054-66,936-36,112=
10,006円
という事になりました。 しかし、夕方から遊技するサラリーマンの方はこの内容で稼働する事は不可能です。夕方から2日間 = 約1,300G分を現金で試行した場合の期待値を求めると
113,054-34,708-72,223=
6,123円
収支は約40%減になります。
ちなみに、大当たりするまで現金を使って、大当たり終了後は20~30G試行してヤメなんて打ち方をすると期待値はチャラに近くなります。対して、貯玉再プレイで遊技した場合は13,806円です。このように換金差がある環境では、調整が同じでも打ち方によって収支には大きな違いが出るのです。
「やっぱり換金差がある環境っていいじゃないか! 全国一律低換金率化賛成」と思った方は、過去ログで自分が述べた事を思い出してください。ホールは商売ですから、持ち玉(貯玉)で長時間粘る客が増えれば目標の売り上げが達成できるようになるまで釘が締まります。場合によっては、貯玉再プレイや持ち玉の共有OKといった打ち手に有利なルールも廃止するでしょう。現時点での還元率――件の大手のように81.3%なんてボッタ営業に問題意識のないホールは、その還元率に見合うまで営業内容を悪化させるはずです。
ですから、この辺りの業態をいくら論じても、誰もが楽しく打てる(勝てる)環境になどなりません。言えるのは、どんな業態であれ出玉率100%を超える調整に気づき、勝てる遊技内容に仕上げるのは打ち手の技量だって事です。
個人的に「この人、問題があるレベルのパチンコ依存症だよな」と感じるユーザーの多くが、「悪いのはホール、メーカー、専業とか名乗る社会不適合者」と考えており、「自分は被害者」というスタンスから発言しているのが気になるんですが、成人が自己責任で物事を考えられないのはどうかと思うし、問題があるレベルのパチンコ依存症患者が被害者意識を抱えてしまうのは、業界人が業界の問題を語る論調がユーザーがパチンコ・パチスロと向き合う姿勢以外の部分に大きく偏っているからじゃないでしょうか? 依存症対策のためにも、こうした論調は少し修正する必要があると感じます。
くり返しますが、大人は自己責任。パチンコ・パチスロはそうした大人の遊技ですから――。