『ネクスト・ロック・ゲート』
攻略メディアの立ち位置
掲載:2015/7/30 09:45
業界誌で「勝ち体験提供のカギは甘デジとAタイプ」というセミナーに関する記事を読みました。
お客さんには、まず勝ち体験をしてもらわない事にはパチンコ・パチスロの面白さが伝わらないというのは自分も同感で、別格に優良なO店wやNO店の店長はこのセミナーの主催者と全く同じ事を考えたのだろうと思います。自分も長らくパチンコを打って来て、これほどまで甘デジに絞って打ち続けて来れた経験はかつて無かった事ですから。
セミナーを主催したヒューテックの客帳データ(CISデータ)によると、セブン機メインユーザーの減少が止まらない中、甘デジメインユーザーがやや増加に転じているそうです。そして、「勝ち体験を提供する」という視点で見れば低貸より甘デジが最適と同社は指摘してます。
そりゃそうですよね。貸し玉料金の安さから負け額は抑えられても、回らない・出玉も取れない低貸の勝率は低いと言わざるを得ません。
何というか、勝ちやすい = パチンコ・パチスロの面白さが伝わりやすい状況にお客さんをガイドするのって攻略メディアの仕事だし、それが大切な事だと自分は思います。ところが、いつの間にか攻略メディアは立ち位置を変えてしまいました。
新台――機械代の回収のため、少数の例外を除いて勝ちにくい調整になっている機種 = パチンコ・パチスロの面白さが伝わりにくい調整になっている状況にお客さんをガイドするようになったという、ね。
攻略メディア編集者にそう指摘すると全力で否定するけど、「この機種でこの紹介は機種の世界観を損ねるから変えてくれ」的なメーカーの監修を受け入れての誌面 / 番組作りはメーカーに飼われていると言うしかないし、そうなってしまった大きな原因は「解析から手を引いた事」だと思います。自分たちで解析していないんだから、もはやメーカーから提供される解析情報なしでは誌面も番組も作れやしない。
今の日本に自社解析しているメディアなど1社もありません。一部機種の現場での挙動から明らかなように、メーカーから提供される解析情報ってのは信用して良いのかはなはだ怪しいものなんですけどね。
ともあれ、こうした環境の中、少しホール関係者がざわついています。サンセイの次期牙狼(おそらく、
牙狼 魔戒ノ花)の価格が@40万円を超えるのではないかという事。そして、現在、大きく市場でのシェアを落とした京楽が発売する最後のMAXタイプが仮面ライダー版権であり、専用筐体をまとったそれは@50万円を超える価格設定(!!)になるらしいという事です。
その機種は少し前から噂のあった
仮面ライダーストロンガーで間違いないと思ってますが、京楽も仮面ライダーという版権も好きな自分としては頭を抱えてしまいます。スペックはオーソドックスなMAXタイプで、販売価格高騰の理由はハイクオリティーな液晶と複雑なギミックを搭載した専用筐体の部材が高価なためうんぬん……なんて機械だったらガッカリですし。
もし、そんな機械なら台数を絞っての販売であっても、@従来の価格 + 10万円以上という価格設定に見合うほどの稼動貢献はしないでしょう。そして、「そんな機械でも買っておかねばならない」という空気は広告メディア、もとい攻略メディアが作る事になると思います。その空気には追従する他メーカーが出て来そうな予感が――。
まあ、
仮面ライダーストロンガーがそんな機械ではなく、機械代に見合うだけの稼動貢献をするようなら、今までの価格設定では面白い機械など作れるはずがなかったのだ。勝ち体験をしてもらわない事にはパチンコ・パチスロの面白さが伝わらないなんて考えも間違っていた。ゆえに、攻略メディアの立ち位置は正しい。という話になるわけですけどね。
だって、
仮面ライダーストロンガーは超々高確率で導入直後から回収調整を使うでしょう? 回収調整で稼動貢献しないなら、ホールは@従来の価格 + 10万円以上という価格設定の機械を買った甲斐がないというものです。はたして、かつてのNo.1メーカーが投じた一石からはどのような波紋が広がるのか――。
これは要注目の事態です。