『ネクスト・ロック・ゲート』
終わらない日常と非日常
掲載:2015/7/26 15:05
結局、昨日は商業都市のリニューアルオープンに行きませんでした。
2013年に70kmほど先の地域で、この系列店舗のグランドオープンがあった際は時差営業の2日間お世話になったんですが、今回は時差営業がなく、いきなりの9:00オープンです。ダメ元で覗いてみようという気にならず、家でゴロゴロしつつ、
009 RE:CYBORGの原作映画を観直してました。
この映画、当初は『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で有名な押井守が監督する予定だったそうで、そのせいか様々な押井作品に対するオマージュで溢れております。
例えば――
ラザロ兵
赤い双眸にドイツ風のヘルメットというデザインは『ケルベロス・サーガ』のプロテクトギアを彷彿させます。
天使の化石
まんま、OVA黎明期に作られた実験的作品『天使のたまご』ですね。この作品のクライマックスに出てくるのが天使の化石でした。
天使の少女
そして、過去ログで何度も貼り付けた天使の少女は、映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の白い帽子の少女(正体はラムちゃん)です。
帽子は被ってませんが、同様に白のワンピースを着用し、街路をフッと横切るように現れる辺り、間違いなくそうでしょう。
ビューティフル・ドリーマーと言えば、押井守監督の出世作。今思うと、原作の『うる星やつら』自体が成就されない愛欲・物欲・金銭欲のくり返しの物語だったんですが、その日常のくり返しが終末に至るまでを提示した本作は衝撃で、その後の様々な作品に影響を与えました。
つーか、公開は1984年ですが、空から恐怖の大王が降る以前に、世界が核の炎に包まれるでもなく、突然のカタストロフ抜きで終末がやって来るというビジョンを提示したのは凄くないですか? そう思いながらこの作品を観ると、終末に向かう日常を明るく楽しくくり返している友引町の住人たちが好ましいものに思えて来ます。どうせ終末が来るなら楽しんだもの勝ちよお。
で、この業界は、終末に向かう終わらない日常の隙間に開いた、つかの間の非日常への入り口であるはずなのに、非日常に入り浸ってしまい、それがクソみたいな日常になってしまった人からは文句も出るし、パチンコ屋という非日常に入り浸りすぎて帰って来ない人物を家族に持つ日常の住民からは業界に対する批判が出るというわけですね。
ふと、財力がない人でも、つかの間の非日常をクソみたいな日常にしてしまえる低貸営業をヤメた方がいいんじゃないか――なんて事を思ったんですが、どうでしょう?