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【ザッシュ】
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『ネクスト・ロック・ゲート』
封入式パチンコに関するいくつかのこと
掲載:2015/7/5 09:15

やっぱり、「釘問題」の着地点は封入式パチンコの登場になるんだろうか?

封入式パチンコ = ECO遊技機は警察庁ですら忘れていた案件を日工組が掘り起こしたもので、その意図は「監督庁の手をわずらわせなくとも、業界自ら健全化に取り組んでいます」という姿勢を見せることだったと思います。
それで規制を回避しようという目論見だったはずなんですが、MAXタイプ規制が決まった現状で、封入式パチンコには強制的な入替需要を発生させることで台を売ろうというメーカー側の思惑しか残ってません。

導入に関しては、3年前から日工組とホール団体が協議を重ねていたものの同意には至りませんでした。同意に至らなかった主な原因はコスト面での懸念が拭えなかったからです。
現行のCRユニットに替わって設置されるECOユニットが@15万円。共通枠が@10万円。合わせて@25万円にゲージ盤の価格が加わるんですが、過去ログで述べたように「大型版権は専用枠で作ります」なんて言い出されちゃ機械代低減になりませんもんね。共通枠は機歴用の手抜き機種専用枠みたいな……。

また、ECOユニットではカード決済情報(売上情報)に加えて営業データなど台情報も中継するため、データセンターに送信するデータの扱いが不透明であるのもホール側が導入に難色を示す一因になっていたはずです。

ともあれ、こうした経緯で頓挫していた遊技機が「釘問題」の着地点として出現して来るとなれば、これはもう、警察庁と日工組の癒着としか見えない構図になるわけですよ。
規制を受け入れての導入となるのは日工組的にベストな着地ではありませんが、台が売れない現状を鑑みると、国内に設置される2,939,636台のパチンコ台を強制的に入れ替えることができるんですから万々歳です。

――あるんですかね? 封入式パチンコの登場が。

ただ、個人的には東大出の警察官僚がこんな癒着としか見えなくなる構図を選択するのか? という疑問があります。
また、癒着の有無は関係なく、そう見えるのを承知で封入式パチンコを登場させるという選択をしたとしたら恐ろしいとも思います。

とりあえず、ね。もし封入式パチンコが出るなら、低貸コーナーへの移動もあるんだから、メンテナンスとしての釘調整は何度以内(角度)なら許容してもらえるのか、内規でも作って警察庁に了承を得た方が良いですよ。
「封入式パチンコは釘調整不可」というのは建前で、実際はできるし、するつもりだったんでしょ? ホール側が作って欲しい機械の希望としてハネモノと権利モノを提示してたものね。この種類の遊技機が釘調整なしで使えると思うのは素人だけです。

「釘調整不可は建前だけなんて、まさか!?」と思う人が多いと思いますが、まわるんパチンコ大海物語3のように客の建前論をすくい上げて「対応した」と言うのがパチンコ業界人です。
型式試験もどんな巧妙な手段で規則の隙をついているのかと思ったら、パチスロ = 検査対象外のサブ基板に出玉性能の中枢を隠す。パチンコ = ベース50、スタート3以下なんて滅茶苦茶な調整で試験に出す。と、「世の中ナメとんのか!」と言いたくなる話でしたもんね。
第三者機関が管理するという盤面の開放キーは、かなり自由に使えるよう、敢えてずさんな管理体制を想定していたのではないかと?

「釘問題」の入り口は10年も前のこと。試射試験では現れないパチンコの出玉性能に疑問を抱いた警察庁が日工組に釘調整をしているのかを問いただし、日工組が「我々は過去、現在、未来ともに釘調整を行っておりません」と答えた時です。「じゃあ、犯人はホールだね」となったため、それ以降、釘調整がデリケートな問題になったのです。
「封入式パチンコは釘調整不可、誰にでも公平な遊技台」なんて建前が通ったことに喜んでいると、忘れた頃に「パチスロに『設定』という調整格差があるのは客に不公平で、パチンコとの整合性が取れない」なんて言い出されますよ。要はパチスロから設定が無くなります。それを防ぐためにも、釘調整はきちんと規則化するべきでしょう。

規則に従っていたら、世間を熱狂させた数多の名機は生まれなかったろうと思うものの、今回の「釘問題」のような頭が痛い事態を招くこともなかったはずです。
業界人は学生時代に誰も漱石を読まなかったのか? 代表作『坊っちゃん』にこんな一節がある。「世の中に正直が勝たないで、外に勝つものがあるか、考えてみろ」

東大出の警察官僚をナメたらいけません。卑しいことを考えていると逆手に取られます。まさか、彼らより自分は頭がいいなんて思っている業界人はいないよね――?
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