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【ヒロオ】
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『酒と涙と本とパチスロ』
理想の形と不必要なもの
掲載:2015/6/2 00:15

先日、久しぶりに28玉店[1]の地域に行ってきました。
 
[1]の店は相変わらずの盛況で、そして相変わらずの客層で。
ちょっとだけ[2]の死に体っぷりが気にかかったといえばかかったのですが、まあこちらはひと頃からこんな感じでしたしね。調整法や機種などの変わったものこそあれ、それでもあまり変わらぬ様子や風景というのは、目まぐるしく変わる昨今の状況に巻き込まれている私としては少しホッとするものでもありました。
 
 
ということで、この地域に思うこと色々。
 
 
●パチンコ・パチスロ熱が他に比べると尋常じゃないくらいに高い
私がこの地域に最初に目をつけた理由は、「街の規模の割りにパチ屋の数が多かったから」。
隣近所の街のほうが明らかに規模が大きいのに、ここはそことほぼ同数の数がある。
大抵そういった場合には他の理由があったりするものですが、ここだけはそうでなく。
確かに稼動量も凄いですが、ここは近くに日帰り入浴できる温泉的な施設がありましてね。私は風呂好きなのでここに来ていたときにはよく行ったんですけども、そこのサウナでの会話はほぼ野球かパチンコかのいずれかで。
なんというか、もう皆さんパチンコが好きで好きでたまらないといった印象がそこかしこから感じられる昨今では珍しい地域だとその時思ったものです。
 
 
●車の運転が猛烈に荒い
例えば、40キロ制限で追い越し禁止の見通しの悪い道を40キロプラス数キロくらいで走っていると、ほぼ全車両から猛烈な勢いで抜かれます。
あとは、駐車場の停め方も猛烈でして、迂闊に頭から入れたりすると出れないことはないけどちょっと出るのが大変なような、そんな停め方を隣近所にされてたりすることも。
で、こういう「一人だと見づらくて大変だなぁ」みたいなときは、どこからともなく謎のお父さんが現れて「はいオーライ、オーライ♪」とか言いながら誘導してくれるのです。ちなみに、この謎のお父さんは店の交通整理の人とかではまったくなく、ただの通りすがりの人でして、これをされた後は私も車出しに困った人を見かけたら謎のオッサンとして活躍することにしています。
 
 
●道の駅で気軽に休めない
いつだったか帰りが遅くなったときに、近くの道の駅にちょっと車を停めて休んでいたんですよ。
そうしたら、まあなんか今日は車多いなぁ~とか思ってたんですけどね、気がついたら100台近くの怪しげな車&二輪車が道の駅内に存在してまして。
確かに周辺でもブンブンブンブンいってるのを見たりはしてましたけど、そんなんはほぼ2~3台くらいでしたんで、ここまでの集団には田舎育ちの私もさすがに少しビックリしてしまいました。
うん、まああまり遊ぶとこないんでしょうね……そういうところは、うちの実家のあたりに似ていると思います。
 
 
●基本的に人がフレンドリー
開店待ちをしていると、その店の常連さんや専業衆などの顔馴染み同士で会話をしている様子というのは、全国どこの店でも見られる光景です。
が、この地域で特徴的なのは、知っている人でも知らない人でも関係なく輪に入れられるところ。
特に、この地域には専業がまず来ませんので、私あたりは非常に怪しい野郎であるわけですが、そんなんも無関係に、まるでいつもいる人のように、当たり前のように会話が始まるのです。
その内容もパチンコ・パチスロだけにとどまらず、あの病院はダメであっちはいいとか、あそこの飯屋のねえちゃんが可愛いとか可愛くないとか、さらには嫁がどうだ息子がどうだ、とまさに井戸端会議的な感じで。朝は年配の人が多いという理由もあるとは思いますが、こういったのは最近だとここ以外でなかなかないですね。
 
 
●パチンコ・パチスロは「ぶっ叩くもの」という共通認識がある
「ボタン連打しまくってて~~」とか「海島の年配客は魚群出るように右から左に手振ってて~~」とか、そんな可愛いものじゃないのです。
もうドッカンドッカンです。ドッカンドッカンドッカンドッカンです。ドッカンレックス(権利物)がまだあったならドッカンレックスをドッカンドッカン……って、まあそれはどうでもいいです。
このドッカンパワーは台をどつく以外でも発揮されることもありまして、私がミドル海を打っていて当たり中玉詰まりを起こしたときに、突然隣から「兄ちゃん、玉出てこねぇのか?」と訊かれて、はいと答えたらミドル海島にいる全員が私の台の上部分をドッカンドッカンと凄まじい力でぶっ叩いてくれたことがありました。別に店側もこれを許容しているので私はそれでいいと思いますけども、この店での台上ドッカンで玉詰まりが解消されたのを見たことは私的に一度たりともありませんし、この時ももちろん解消されませんでした。
 
 
●パチンコ・パチスロを打たない人も店によく訪れる
印象的だったのは、おそらく散歩の途中に来ていると思しき老夫婦。
いつもお手製の弁当を持ってきて、二人で仲良く食べている姿がちょうど私が打っていた甘海から、かつてはよく見えたものでした。
打っているのを見たことがない、というか多分弁当食べたら少し休んで帰っていたと思うんですけどね、なんと言いますか、見ていると「ああいうのもいいなぁ」なんて私も少し思ったり。
あとは、道路工事をしている風な人の集団が休憩所に来て、近くのスーパーで買った弁当やら寿司やら食べてたりしているのもよく見かけました。
私自身はこういった稼業なのでこういう利用法はしませんが、これはこれで地域に役立つ良い役割をこの店がしているのだとは思います。
 
 
●お客さんの年齢層が極めて広い
この地域の店は早い時間だと年配客が多いのですが、夕方~夜になると若者からお父さんお母さんまでの幅広い年齢層のお客さんで賑わいます。
この理由は、上で挙げた「パチンコ・パチスロ熱が高い」という理由以外では、他地域に行きづらいというこの地域特有の理由があるように思います。
別に遠くはないんですけどね、わざわざパチンコしに行くには確かに遠いし行きづらいんですよね。
ここが、おそらくこの地域の稼動が良い理由でもあり、さらには私以外の専業者が流入しない理由でもあるのだろうと。
あとは、たまに息子さんみたいな年齢の人がお年寄りを何人か連れて店に来ているのも見かけます。
これは近所の人を一緒に連れてきているのか、または親戚的な人を一緒に連れてきているのかかなと思いますけど、まあなんというか本当にみんなパチンコが好きなんだなと。
ちなみに、連れられてくるのは大抵80は優に超えているかと思われる小さいお婆ちゃんたちで、推定息子さんに手を引かれて、店内をゆっくりゆっくり歩いているような感じなんですけども、打ち始めるとどこにそんな力があるのかと思えるくらいドッカンドッカンやり始めます。
一回お婆ちゃんズに挟まれて甘海打ってたときなんて、そりゃもう自台のステージの玉が落ちるんじゃないかってくらいで……。まあ、それだけ元気があるってことでもありますし、お婆ちゃんズにはこれからも楽しくパチンコを打ってもらいたいとは私も思います。
 
 
こうやって書いてみて思うのは、この地域から感じられる一昔前の空気、「昭和」の空気です。
こういった昔ながらの、荒々しくも自由で、どことなくゆるいような空気を持つ場所は、昨今の風潮では評価されないように思うのですが、私的にはある意味こういったものこそが「パチンコ屋のあるべき形」であるような気もするのです。
みんなパチンコが大好きで、仕事が終わったら、仕事が休みならパチンコに行く。老いも若きも、みんなみんな。みんなが来るから、お店もそれなりに甘くする。勝ったらみんなで飲みに行って、負けたら負けたでまた明日。家には3世代家族で住んでいて、たまにお爺ちゃんお婆ちゃんとも一緒にパチンコに行く。打たない人もお店に寄って、ごはんを食べたり友達と話をしたり。
 
おそらく、これは今となっては特殊な店で、おそらく、もう今のパチンコ屋はこういった場所にはできないのだろうとも思います。
それでも、私にはこれがパチンコ屋の理想の形であるように思えて、それでも、もうここには戻れないのだとも思えて、なんとももどかしい気持ちにもなったのでした。もしかしたら、私がこう思うのはこの地域が私の実家周辺の地域と少し似ているから、かもはしれませんけどね。
 
そして、この「あるべき形」「理想かもしれない形」に必要ないのは……おそらく専業者ですよね。
まあ我々はいつ如何なるときでも日陰者ですから、それを自覚している私としてはやれることをやりつつも、地味に、目立たず、ひっそりと、周囲に溶け込む努力をして、なんとかかんとか生きていきたいとは思いますが。
 
とか言いながら、そうしようと思ってもならないときもあるのが困りものですが。アホみたいにハマったり、バカみたいに出たりしたときは、やっぱりちょっとどうしようもないですしね……。
 
 
 
とりとめない話でした。
それでは、また!
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