『ネクスト・ロック・ゲート』
依存症患者に朗報、負け額が返金される!?
掲載:2015/2/2 10:00
「んなわけねーだろ」な、お題をつけてみました。
しかし、これは2014年末に時事通信社が報じたニュースで、オーストリアで実際にあった話。
2006~2010年、スロットマシン(民営の換金可能なゲーム)にのめり込んで約80万ユーロ(約1億2千万円)を浪費した男性が精神鑑定の結果、「ギャンブル依存症」と診断され、裁判所は約44万ユーロの返金をスロットマシンの運営会社に命じたというものです。
なお、スロットマシン運営会社は、この決定を不服とし控訴中。
1月23日、全日遊連・全国理事会の席上で警察庁保安課・課長が
「射幸性の抑制が最優先課題」とする行政講話を行い、1月26日、IR議連(カジノ議連)が
政府に依存症の実態調査を要請した現在、これはパチンコ業界に携わる人間なら真剣に考えねばならないテーマでしょう。
警察庁保安課・課長の講話には、「『客が射幸性の高い遊技を求めるのだから仕方がない』という考え方は、これだけパチンコ依存を問題視する声が大きくなった現状においては、もはや通用するものではない」という言葉がありましたが、今後、カジノ法案に関する議論に伴い、ギャンブルとその類似行為に対する意識が整備されて行けば、パチンコ屋はそこにある責任を問われる時代になるんじゃないの、と?
正直、恐ろしいです。CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)やCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)を考えているホール企業と、そうではないホール企業が同じ箱に入れられ、それらの判別がつかない世間に存在価値を認めてもらわねばならないという事が――。
パチンコ・パチスロに興味が無い人、遊技に参加して負けた事を恨みに思っている人にとって、ホール企業は全て害悪だろうし、そうではない人も真っ当な評価ができているとは言い難い。
特に勝ち負けを重視する遊技者など、優良店 = 勝てる店だし、CSRとかCSVというのはそれとは別の話なのです。
例えば、ライター来店取材。有名ライターを招いて出玉的なサービスも万全。赤字覚悟どころか赤字確定な営業をするホールがあったとしたら、それは大抵の客が「優良店」と評すると思いますが、CSRの見地では
射幸心を煽る営業で依存症患者の温床となっている最低の店です。
ライター来店取材というのは出したから良い、出さなかった(ガセだ)から悪いという話ではありません。
自分流に言わせてもらえば「脱法ハーブ」市場と、その売人が同じ構造ですかね。
「法には触れないし、それを求めている客がいるんだから売ってもいいんじゃねーのぉ?」
求めている客も、「『脱法』だからセーフ、セーフ!」
自分は「0」と「8」のつく日のS店などを稼働ネタにしている部分があるので、ライター来店取材同様、射幸心を煽る営業から受けている恩恵はゼロではありません。
だから、あまり偉そうな事も言えないんですが、せめて来店系の仕事を請け負うライターにはその倫理観を問われても窮する事無く返答できる信念を持っていて欲しいです。
最近は、請け負う事と請け負った結果に対する言い訳しか聞いた事がない気がするよ……。
ちなみに、自分の立場から依存症対策として言えるのは、パチンコ・パチスロはやり方によっては勝てるけど、やり方を考えなければ絶対に勝てない遊技です。ホールで打ち出した玉の数、投入したコインの枚数に応じて課金されます。
好きな機種を打って楽しみたいというスタンスなら勝つのは絶望的ですので、日・月毎の予算を決めて遊技に臨んでください。
ギャンブルと、その類似行為に参加するための最低条件は資金管理ができている大人である事。
具体的には、収支表をつける、パチンコ・パチスロ用の財布を作るなど。
他人から「ギャンブル依存症」と呼ばれ、ケアが必要と判断されるのは「大人じゃない」と言われる事とイコールであり、恥と心得るべきです。
まあ、依存症と呼ばれるぐらいパチンコ・パチスロが好きなら、日・月毎の予算を持たせ、他人からケアが必要と判断されないためにも、少し遊技のウエートを勝てる機種に振ってくれても良いんじゃないかと思うんだけどね。
好きなものが世間から害悪視されないよう嗜むのもファンの務めですよ。