『ネクスト・ロック・ゲート』
「通常版」と「特装版」――付加価値について
掲載:2014/11/29 10:55
昨日、本屋で購入したのは、新 仮面ライダーSPIRITS 10巻 / 機動戦士ガンダム サンダーボルト 4巻 / 3月のライオン 10巻。
仮面ライダーは漢のたしなみ。ガンダムは今時の大人のたしなみ。AKBは日本国民のたしなみ。
ネタを振られて返す言葉を持たないようじゃいかんのです。
自分は「ガノタ」ではありませんが、一応、その辺はたしなみとして押さえております。
3月のライオンは単純に癒されるんだもーん。人間として考えねばならない事も書いてあるしな。
3冊購入して、3,168円也 !
高っ! だって、新 仮面ライダーSPIRITSと3月のライオンは「特装版」を購入しましたから。
新 仮面ライダーSPIRITS 10巻は第8話「約束の蒼空」のカラーライズド・バージョン、3月のライオン 10巻はロックバンド・BUMP OF CHICKENが3月のライオンのために作った楽曲『ファイター』のCDとMV(AR)が付いてます。
先日、めでたく完結した貞本義行版エヴァ・新世紀エヴァンゲリオン 14巻も全巻収納ブックエンドと漫画制作の際に聴いていたという楽曲を収録した『YOSHIYUKI SADAMOTO WORKING MUSIC CD』が同梱されたプレミアム限定版を購入してしまいましたが、最近はこういう販売形態が多いですね。
同梱されていたCDやら、何やら
出版業界も大不況。消費者の購入意欲をそそるためには何らかの特典を添える必要がありますし、購読層のマニア化が進み、雑誌に掲載された作品を単行本としてまとめただけでは十分な満足を与える事ができなくなっているからだと思います。
この辺、ちょっとパチンコ業界と似てますよね?
マニア層に満足を与えるために演出を作り込む事はもちろん、付加価値として携帯連動サービスも導入しなければいけないという――。
ただ、漫画の単行本は書店で高額ながら特典の付いた「特装版」と、安価で特典無しの「通常版」を選べますが、パチンコの特典である演出の作り込みは版権に対する知識が無いと受け取れないし、携帯連動サービスも参加してもらわなければ意味がないという点で異なります。
遊技に参加するユーザーの姿勢が問われると言いますかね――。
だから、自分としてはユーザーに「パチンコは『通常版』も『特装版』も同額なんだから、遊技台の元になった版権に触れて知識を得たり、携帯連動サービスに参加した方が得ですよ」と言いたいんですが、ホールに対しても「『通常版』を選ぶユーザー基準の営業を考えなければいかんのと違いますか?」と言いたくなるのです。
ぶっちゃけ、ホールでは「通常版」を選ぶユーザーが大多数ですよ。
ホールコンなんか見ていても分かりませんから、遊技客の何割が「特装版」の特典を受け取っているか、遊技台購入の意思決定者は実際に店内に出て液晶画面のステータスを確認してみるべきでしょう。
所詮ね、演出や携帯連動サービスはモード式連チャンやAT・ST連が不可能になり、退屈になった遊技で気を紛らすために発展・導入せざるを得なかった部分なんですよ。
ピュイッ! や時速5,000枚が健在なら、今ほど重要視されなかったと思います。
そして、出版業界では、雑誌掲載時に特別な評価の無かった作品に「特装版」を企画する事は無いという現実――。
全然ダメだった作品にオマケを付けて売ろうという発想が基本じゃないんです。
評価が高く、マニア層が形成されている作品に、付加価値を付けてさらに満足してもらおうという事です。
「付加価値が良ければ売れる」と勘違いしているホール関係者には認識を改めてもらいたいものだな、と。
機械スペックの規制で退屈になった「パチンコ・パチスロという遊技の本質」を高めるのがホールの仕事だと思いますのでね。