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【ザッシュ】
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『ネクスト・ロック・ゲート』
AT・ART機は2015年11月末で終了のお知らせ
掲載:2014/9/24 00:35

パチスロの型式試験方法の変更について、「朗報」との見解を示していた皆さま。
日電協、および日工組が9月19日、自主規制を決めました。 
 
出玉に関わる性能は全てメイン基板に移行する事。また、特定の押し順以外で遊技をするとAT・ART抽選をしない、いわゆるペナルティー機能も今後は搭載しない方針を決定。
ペナルティー機能を搭載したAT・ART機の型式申請は2014年11月末を期限とし、1メーカーにつき同一シリーズ2型式までとする持ち込み制限も盛り込まれました。
無論、型式試験は9月16日より変更になった「ナビの発生に関わらず、最も出玉率の低くなる停止順で行う方法」で行われ、適合するにはその条件下で規定上の下限出玉率(55%)を満たす事が必要になります。
 
これにより、9月16日以前の型式試験に適合したAT・ART機や、9月16日以降から11月末までに型式申請され適合を受けたAT・ART機については、来年2015年11月末が販売期限となる見通しです。
そして、2015年12月1日以降は、出玉に関わる性能を全てメイン基板に移行した機械のみが販売されます。
 
――翻訳しましょう。AT・ART機として企画が進んでおり、9月16日までに申請が間に合わなかった機械は、11月末までに一応の体裁をつけ、保通協に持ち込んで適合を受け、2015年11月末まで売るからヨロシクね♪ です。
それに、出玉に関わる性能を全てメイン基板に移行という事は、今後、液晶画面ではリールの停止順や狙うべき図柄の表示が行われなくなるという事なので、ノーマルタイプ以外市場に出回らなくなると捉えて良いのですかね?
 
生粋のジャグリストには、どうという事はない話かと思います。
しかし、型式試験方法の変更に伴い、ボーナスを搭載した低純増タイプのART機の登場を待ち望んでいたユーザーには紛れもない「悲報」でしょう。
そんなもん、やっつけ仕事的な機械以外では出ませんからー。
 
今後、ホールのパチスロコーナーは縮小がトレンドになるでしょう。
先がない機種カテゴリーですから、現行AT・ART機に対するサービスも期待しない方が良いのではないでしょうか?
4号機末期、「コイン単価が高いから」という理由で、ロクな稼動もないのにベタピンで設置され続けた吉宗のシマを思い出していただければ、と。
 
ただ、個人的にはパチンコ課税に一縷の望みがあるように感じます。
「パチンコで換金が行われているなど、全く存じ上げない事でございまして……」という警察庁の答弁に、「建前論はやめましょう」と国会議員はうんざり。
そんな事が、今、政治の世界では行われているわけですよ。 
 
パチンコ課税とは法人税減税の減収分の一部を補う目論見で導入が検討されているものですが、ご存知の通り、建前上、パチンコに換金行為は存在しません。換金行為がなければ税金は取れないので、税収を得るためには警察庁の建前論を崩す必要があります。
ところが、警察庁が「ある」と言ってしまったら、今度は「警察庁は50年以上に渡って、全国に1万軒もある違法な民間賭博場を放置し続けたのか!」という議論が沸き起こり不作為責任を問われます。
そんな事になったら、たまったもんじゃありません。自らの面子を守るため必死に白を切る警察庁と、どうしても税金が欲しい政治家たち――。
 
とうとう、国会議員側からは「少額なら換金可能な遊技があってもいいだろう。そこは政治が整理するから、警察も知恵を絞って法整備に協力しろ」との通告が出てしまった、という新聞記事を先月読みました。
 
おそらく、IR推進法案(カジノ法案)との整合性の件もあるし、パチンコの換金は合法化され、パチンコ課税も行われる事になるでしょう。
しかし、そうなった時、遊技人口が試算通り現状の半分 = 500万人まで減っており、青息吐息の業界ではロクな税収を見込めません。もしかすると、そこで何らかの規制緩和が行われる可能性はあるな、と。
 
今回、市場に出回るパチスロのスペックが大幅にダウンする理由は内規変更ではありません。型式試験方法の変更と、メーカー団体の自主規制ですから、緩和は解釈論と自主規制の撤廃で済むという事を強調しときます。
 
最後に
 
 
■パチスロ タイプ別時間粗利(20円)
 
  ノーマル  640円  前年比▲30円(4.48%)
 
  AT・ART機  970円  前年比+70円(7.78%)
 
  30φ  530円  前年比▲30円(5.36%)
 
――DK-SIS白書2013より
 
 
設定1と6のコイン単価が同じと思う人はいませんよね? 参考までにコイン単価の計算式は「売上÷IN枚数」です。
 
再三、書いて来ましたが、AT・ART機でたくさん負けさせられるのは機種スペックが原因ではありません。
波が荒い / 穏やか / スペックが甘い / 辛い。
みんなこの辺りの区別ができていないんじゃないでしょうか?
 
多分、数年後、コイン単価2円台の機械が主流になり、縮小されたパチスロコーナーで遊技するうち、ようやく問題の核心に対する答を口にするでしょう。
「ホールは設定使えよ、この野郎!」と。
 
もし、解釈論で規制が緩和 / 自主規制が撤廃され、再びホールにAT・ART機が現れる日が来たなら、そこで得た問題の核心に対する答を忘れないでいて欲しいと思います。
過去ログ『コイン単価で見る市場の変遷』で述べた通り、ライターを名乗る人間ですら自分の主観だけで下調べもせずに「客量が減っているのは、高コイン単価の機械ばかりになってしまったからだ」という誤った情報を発信してしまうし、業界人が発信する情報は操作され、エンドユーザーにとって不利な事実が巧妙に隠されている場合が多いです。
 
この業界のメディアには、参考にしたらバカになる「バカ製造機」が山ほどいますから――。
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