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【ザッシュ】
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『ネクスト・ロック・ゲート』
コイン単価で見る市場の変遷
掲載:2014/4/21 09:05

今回は、昨今のパチスロ事情に関して、打ち手側が勘違いしているのではないかと思える事について書いてみようと思います。
 
すなわち、最近の機種はキツイ。
こんな波荒な機械ばかりじゃ財布がもたない。
客量が減っているのは、コイン単価が高い機械ばかりになってしまったからだ、という点――。
 
高純増AT機は、お金がスイスイ入りますもんね。
しかし、客が好んで打ったヒット機種とコイン単価の間に因果関係はありませんし、コイン単価2円程度のノーマルタイプとRT機ばかりだった2009年以前、パチスロ島が閑古鳥だった事を鑑みると、波がおだやかなコイン単価の安い機械ばかりじゃダメだとも言えます。
確かに、3.7円前後の機械ばかり発売された2012年春以降にパチスロの稼動低下は始まっているのですが、ちょっと、この数年の流れを整理してみましょう。 
 
まず、2010年以前。
ノーマルタイプ・RT機が主流で閑古鳥だったパチスロ島にART機が登場。
交響詩篇エウレカセブンがヒットし、蒼天の拳リングにかけろ1~黄金の日本Jr.編~スパイダーマン3辺りを個人的には打っていた時期です。
ノーマルタイプ・RT機にはなかった設定不問の出玉性能を備えたこれらの機械は、大いに業界を盛り上げました。
この当時のART機のコイン単価は、荒波と言われた秘宝伝~封じられた女神~でも3円未満。ノーマルタイプは2円程度ですから、業界が盛り上がるためには、ほんの少し高めの台が必要だったと言えるのかもしれません。
 
しかし、2011年の夏。
コイン単価3.7円という4号機ATに近い台が大ヒットしてしまいました。
ミリオンゴッド~神々の系譜~ですね。
4号機・猛獣王が3~4円と言われてましたから、本当にそれに近い仕様です。
 
ちなみにコイン単価とは、台の売上をIN枚数で割ったもので、この数値を見れば誰が見ても台の性能が分かります。
数式の通り、投入されたコイン1枚辺りで何円の売り上げを出すのかって事ですから、数値が高ければ高いほどお金が入りやすい台――いわゆる、「波が荒い」と言われる台になります。
余談ながら、4号機・ミリオンゴッドは6~7円と言われてました。
 
ともかく、「この出玉性能、ヤバくねえか? また規制されるんじゃ……」と様々な業界人が懸念を漏らしたミリオンゴッド~神々の系譜~ですが、ここから直接は高コイン単価全盛時代に突入してません。インターバルがあるのです。
そう、押忍! 番長2北斗の拳~世紀末救世主伝説~の大ヒット――この2機種のコイン単価は2.8~9円で3円に届くスペックではありませんでした。
この頃のパチスロの稼動が近年のピークでもあり、個人的には5号機パチスロのコイン単価は3円にわずかに足りない程度がベストなんじゃないかと思う部分があります。
 
ところが、2012年の春。
スペック的に一つの壁だった、純増2.5枚/1Gを突破する遊技機が市場に投入されます。
AT機――これらのコイン単価が、図らずもミリオンゴッド~神々の系譜~同様3.7円でした。
鉄拳 デビルver.新鬼武者 再臨秘宝伝~太陽を求める者達~ミリオンゴッド~神々の系譜 ZEUS ver.~……etc.
ここからパチスロの稼動低下が始まるのは先に述べた通りですが、要するにこれは程度問題ですよね。
極端な言い方をすれば、店内がジャグじゃなければみなミリゴになったわけですから、ノーマルタイプは好みじゃなくともミリオンゴッド~神々の系譜~ほどのギャンブル性を求めていない打ち手はうんざりしてしまいます。
 
そして、2013年。
下降線をたどるパチスロの稼動を受け、業界は再びART機を市場に投入しました。
創世のアクエリオン2緑ドン~キラメキ! 炎のオーロラ伝説~――しかし、これらのART機で市場に受け入れられたのは、ぱちスロAKB48だけでした。
これは、個人的にかなりショックな出来事でしたね。
 
 
「波がおだやか(低コイン単価)な機械がウケるんじゃなかったのかよ!?」
 
「前兆演出をスポイルするRTC、とっ散らかった映像、音スロなのにスピーカーが悪い――こんなダメな機械のどこが良いのだ!?」
 
 
ぱちスロAKB48がヒットした理由は、AKBファン的に未だ分かりません。
ただ、ARTに至るハードルが低く、遊技した事に対する満足を得やすかった事が様々な欠点を駆逐したのだろうな、と?
 
そして、これ以降は2012年に発売されたAT機より、わずかにコイン単価を落としたAT機が主流になって行きます。
北斗の拳~転生の章~が3.3円、バジリスク~甲賀忍法帖~絆主役は銭形2は3~3.2円です。
だから、冒頭で述べた「客量が減っているのは、コイン単価が高い機械ばかりになってしまったからだ」という主張は2012年当時の所感を引きずっているだけで、2013年以降の市場を全く把握していないものに感じるのですよ。
 
余談ながら、直近の大ヒット作・アナザーゴッドハーデスは4.5円ね。
ますます、ヒット機種とコイン単価の間に因果関係はありません。
言えるのは、ホールは売上の上がる高コイン単価な機械を欲しがるという事と、店内がジャグ――2円じゃなきゃ、ミリゴ――3.7円ばかりなんて環境はバランスが悪いという事だけでしょう。
 
これらを踏まえて、客量が減っている本当の理由って何なんでしょうね?
吸い込みの速度は上がったものの、出玉速度も上がっているため、2011年当時のART機より現状のAT機の方が甘く、ホールの粗利は下がってます。
また、波が荒い=スペックが辛い、波がおだやか=スペックが甘い、ではない事も申し添えておきます。
 
はびこる、有名な誰かが言っていたからそうなんだろうという盲信と思考停止。
自分が負け続けるのは最近の機械が悪いのだという主観。
 
しっかり考えて頂ければ、と――。
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