『スカイ・ロック・ゲート☆』
妄想少女
掲載:2014/1/6 12:10
やっぱ、仮面ライダー鎧武はダメだなーと思う今日この頃。
「ライダー戦国時代」とか「新世代ライダー」とか「推しライダー」とか、妙にアイドル業界とリンクさせるじゃないですか?
確かに、2009~2010年の仮面ライダーWにも『君だけのライダー48』という企画がありましたよ。でも、出演者には板野友美と河西智美がいたし、二人のユニット曲『Love Wars』も、ちゃんとAKB48とのコラボ企画としてやっていた。
しかし、鎧武は……。
何と言うんですかね、必然性も無いのに、今ウケてるものにスリ寄っている印象が腹立たしいと言うか、所詮、萌え作品の脚本やっとるような奴が作るものは人物造形も甘いし卑屈だわな、と。
また自分の二次元萌えに対する偏見(?)が助長されてしまいました。
それにしても、会いにいけるアイドルは好きなのに、絵に描いたアイドルはイラッとするのは何故なんだろう?
絵に描いたアイドルが好きって人の気持ちが分からなくもない時はあるんですよ。
例えばコレ。
續 さすらいエマノン
原作:梶尾真治 作画:鶴田謙二 徳間書店刊。
地球上の生命誕生から30億年分の記憶を持つ少女・エマノンの冒険を描いたSF小説のコミカライズ3冊目ですね。
漫専・アニ専の方は知りません。ともかく、日本SF三大ヒロインと言えば、「七瀬三部作」の火田七瀬、「ダーティペアシリーズ」のケイとユリ、「エマノンシリーズ」のエマノンです。
「4人いるじゃねーか!」という突っ込みは置いといていただいて、とにかく古くからのSFファンの間で三大ヒロインと言えば、この3人(3組)に決まっておるのです。
で、「エマノンシリーズ」というのは基本的に短編なんですが、作画の鶴田謙二がコミック版の原作に選ぶ作品って妙に偏ってるんですよね。
初作の『おもいでエマノン』は、失恋旅行中の主人公が、船上で退屈してた時に美少女・エマノンに出会う話。
この『續 さすらいエマノン』は、放送作家の主人公が、取材してた山中で遭難していた美少女を拾い、病院に運んだものの彼女には記憶が無く、仕方なく自宅に連れ帰り……という話。
実に分かりやすいセレクトです。
一人の船旅で退屈してりゃ、「可愛い女の子と知り合って、色々話しながら旅が出来たら楽しいだろーなー」と思うだろうし、男やもめで活字に埋もれてりゃ、「ふと女の子が転がり込んで来て、面倒見てあげてるうちに居つくようになって、ご飯とか料理ってくんねーかなー」と思うわな、と。
そういうのが分かると言うか、共感する奴って、どんだけ恵まれない青春時代送ってたんだってのも置いといて下さい。
ここで言えるのは、これは男子の妄想として正しいという事。
じゃあ、一般に萌えだ何だと言われてるアレはどうなんだ? と言われると、「いやあ、アレは趣味じゃねーわ」と。
結局、自分の好みじゃないって事なんだから、仮面ライダー鎧武に対して「萌え作品の脚本やっとるような奴が作るものは……」というのは不当な指摘だって事ですかね?
単純に虚淵玄という脚本家の書く作品は好きじゃねーぞ、で良いのかもしれない。
何はともあれ、最新作――シリーズ初の長編小説。
うたかたエマノン
19世紀、フランス領の小島で、エマノンがラフカディオ・ハーン(小泉八雲)、ポール・ゴーギャンらと共にゾンビ狩りをするという新機軸。
ハーンが「その恰好では山登りに向かないだろう」と、リーバイ氏のズボンを差し出すシーンにはニヤリとしてしまった。
エマノンのトレードマークと言えば、タバコとジーンズ。
その一つを得たのはココだったのか、と。
昔からSFが好きだったという40歳前後にはおススメですよ、「エマノンシリーズ」