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【モリオ・マタンゴ】
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『時短抜けたら流します』
変態への道
掲載:2013/10/14 19:00

ういっすー。


さて、昨日はちょいと用事で秋葉原に行ってました。


何の用事かは置いておいて、その用事の絡みで駅近くにある「M`s」というお店にいくことになりましてね。

知ってる方は知ってると思いますが、このお店は俗に言う「大人のおもちゃ屋」というやつです。んで問題はなんでこんなお店に用事があるのかってことなんですが、別に僕にそういった趣味があるわけではありませんよ?

まあ平たく言えば、「知り合いの誕生日にネタプレゼントを買いに行った」ってところです。

今までも1階だけはちょっと覗いたことはあったんですが、今回はプレゼントを購入するために3階と5階に行かなくてはならず、これはある意味自ら罰ゲームを課している状態なのでは?と思ったり。


だってね、てっきりこういう場所にいるのって男ばかりでむっさ~い雰囲気なんだろうと思っていたら、結構カップルが多いんですよ。


しかも上に昇るためには僕のようなデブが一人通るのがやっとみたいな狭い螺旋階段を昇っていかねばならないわけで、そこで手を繋いだカップルや外人さんとすれ違う度に、非常にやるせない気持ちになるんですよ。


かといって、一人で来店している挙動不審な人を見かけたら見かけたで、「俺はこんな奴らとは違う!ネタプレゼントを買いに来ただけなんだ!決してこんな趣味があるわけじゃない!」と自分に言い聞かせて「キミ達とは違うんです(福田元総理風に)オーラ」を出しつつプレゼントを物色するわけです。



まあね、自分が何と思おうが傍から見りゃ「うわっ!一人でとびっこバ○ブ見てるよこのオッサン!」てな風に見えるわけで……。


そう。僕はとびっこバ○ブコーナーでひたすら悩んでいたのだ。


決して妄想していたわけではない。(いや、多少は……)


ネタプレゼントってくらいだから、見た目はエグければエグいだけ良いのだが、かといって予算の都合上、安いのを選ばなくてはならないのである。


ちょっとすぐには決めきれないので、ひとまず5階のコスプレコーナーに逃避。


いや、逃避したおつもりが、さらに居づらい雰囲気だった…。



だってちょっと奥に目をやれば、コスプレ姿(結構露出高め)で全身ミラーの前に立っている淑女の方がいらっしゃる上、他コーナーに比べコスプレコーナーのカップル密度の高さは格段に高いのである。


気づけばなぜか額に変な汗が滲んでいる。

こ、これは早く用事を済ませて出なければ精神衛生上よくない…。


そんな焦燥感に駆られて、もう一つのプレゼントをすぐに選んで3階へ戻った。



……なんだろう、この3階の安心感は…。



当然5階よりもカップル率が異常に低いコーナーであるバ○ブコーナーだが、そのせいなのか妙に落ちつきを取り戻し、額の汗が引いていくのがわかる。

そうか…こうやって人は環境に順応していくんだね…。

妙な悟りの境地に至った僕にもう怖いものなどなかった。


おもむろに目に付いた1,980円のとびっこバ○ブを手に取り、カウンターへ持って行って、「プレゼントなんで包装してください。あ、この猫耳も一緒に(にっこり)」と、自然な流れで注文してるではないか。




もう僕に怖いものなどない。




店内から出ると、涼しげな夜風に吹かれ僕は会場を目指した。



しかしここで僕は気付いた…。


この買い物袋…思いっきり「M`s」って書いてあるじゃん……これを見たすれ違いの通行人たちはきっとこう思うに違いない。


「あいつ…大人のおもちゃ屋で買い物してるよwwww」

「はっずかしいなぁwwその袋堂々と持ってんじゃねえよwww」

「うわっwwキモwwww」


…と。




それを想像した僕はすぐに買い物袋をバッグにしまってプレゼント包装してある紙袋を裸で持ち歩いた。

これはこれでちょっと恥ずかしいが仕方がない。



そう、人はそんなすぐには変われないのである。


もし僕が「M`s」の買い物袋を堂々持ち歩ける日が来たのなら、その時こそ僕は完全体になることができるだろう……。


ビバっ!変態っ!


マタンゴ!








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