『スカイ・ロック・ゲート☆』
もう1人のシンデレラガール
掲載:2013/8/24 14:20
届きました、AKB48・32ndシングル『恋するフォーチュンクッキー』
自分、置く場所に困るんで、大抵はダウンロードで済ませます。
でも、今回Type Bのカップリングは、まりこ様の卒業ソングなので買わないわけにいかないでしょう。
Type A・K・B
「だったら、Type Bだけで良いんじゃねえの?」
いやいや、Type Aのカップリングも聴いてみたい。
Type A・Bと買ったら、Kも買いますわな。
(私的に、振り付け映像はType Kが一番良かった)
で、そのType Aの注目ポイント――カップリングですが、アンダーガールズの歌う『愛の意味を考えてみた』のセンターはSKE48・チームK2の柴田阿弥。
今年の総選挙の速報で、前回まで圏外からいきなりの8位。多くのメディアが「今年のシンデレラガール」と報じた子ですね。
そして、もう一つ。ネクストガールズの歌う『今度こそエクスタシー』
こちらのセンターは、AKB48・チームKの佐藤亜美菜。今まで1度も選抜に入った事が無かったにも関わらず、5年前の第1回選抜総選挙で初の選抜入り――要するに、元祖・シンデレラガールです。
と言っても、佐藤亜美菜の名前は一般的な在宅ファンには馴染みが無いはず。
だって、彼女が選抜入りしたシングル表題曲は『言い訳Maybe』『ヘビーローテーション』『フライングゲット』のみ。
全部、選抜総選挙による楽曲だけですから――。
この選抜入りには、逸話があります。
彼女、佐藤亜美菜は4期生。今では珍しくもありませんが、歌手や女優志望というわけではなく、AKB48が好きで、AKB48になりたくてオーディションを受けた最初の世代です。
しかし、そんな彼女も『大声ダイヤモンド』辺りから、自分の後輩である5期生が選抜に選出されるようになったため、自分ももっとアピールしなくてはという思いに駆られるようになったと言います。
でも、メディアから声がかからない自分は、一体どうすれば良いのか?
彼女が出した答は、少しでも多くの公演に出る事。
スタッフに「他のチームの公演にも出して欲しい」と頼み込んで、まず覚えたのはチームKの公演『最終ベルが鳴る』の最初から4曲。
最初の4曲が出来れば、自己紹介までステージに立っていられます。
(当時、佐藤亜美菜はチームA所属)
その後は1曲ずつ――。
中盤まで覚えれば、MCにも参加出来る。
とにかく、1分でも長くステージに立っていたかったのだそうで。
そして、第1回選抜総選挙が始まった2009年6月末。
佐藤亜美菜はチームKばかりか、チームB、研究生のステージにも立つようになっていたし、選挙の速報結果を受け取ったのは、何とチームA・Kの混成チームである、ひまわり組のリバイバル公演が行われていたシアターGロッソだと言うのだから驚きです。
つまり、チームA・K・B・研究生、そして、ひまわり組――この当時のAKB48の劇場での演目全てを1人で覚え、その全ての公演に出続けていたという事です。
ちなみに、第1回選抜総選挙・速報での順位は15位。
疲労からか、シアターGロッソの公演で過呼吸に陥り、介抱されている時にスタッフから知らされ、最初は放心状態だったものの、同期・倉持明日香からのメールもあって徐々に実感が込み上げたと言います。
「私、頑張ってるじゃん! 私、AKB48にいるじゃん!」と。
ところが、第1回選抜総選挙開票は、速報で自分より上の順位にいるはずの倉持明日香が、いきなり最初の発表である21位で名前を呼ばれるという波乱からスタートします。
この頃、総選挙の議席数は、今の半分に満たない30席。
上位21名までが選抜メンバーとしてシングル表題曲を歌う事が出来、それ以下の9名がアンダーガールズとしてカップリング曲を歌う。さらに、上位21名中12位までは、新曲の宣伝などでテレビや雑誌などに出演できるメディア組だったため、発表は21~13位、22~30位、12~1位の順で行われる事になっていたわけです。
「ああ、自分はアンダーガールズなのか」
しかし、22~30位でも彼女の名前は呼ばれる事は無く、これ以上顔を上げている事が出来なくなった彼女は、うつむいて自分のスカートと拳を見つめながら涙をこぼし始めたと言います。
「やっぱり、テレビに出ていないとダメだ。私の事なんて誰も見つけてくれないんだ……」と。
でも、既に述べた通り、第1回選抜総選挙での彼女の順位は8位。
この当時、そんな言葉は無かったけど、今なら「神8」です。
「第8位、AKB48・チームA……佐藤亜美菜!」
戸賀崎支配人(当時)の声に弾かれたように立ち上がった後は、今まで泣いていたというのに、さらに大量の涙が溢れて満足に歩けず、やっとステージに上がっても、絞り出すような声でしゃべるのが精一杯――。
自分、このコメントの様子を、今年の総選挙前にようやく観ました。You Tubeで限定配信されてたんで。
自分は、この総選挙で3位になった事を機に、まりこ様が前の方で歌うようになってからAKB48に興味を持ったクチなんで、この逸話を知ったのはずっと後になってからですが、佐藤亜美菜の愚直さと、そうしたメディアのスポットが当たらない場所の努力でも、ファンは見ていて報いてくれる総選挙というイベントにえらく感動しました。
コメントを聴いてて、思わずもらい泣きしそうになったくらい。
ただ――
この逸話を知った時、「あれ!?」と思った事がありまして、第1回選抜総選挙による楽曲は『言い訳Maybe』じゃないですか。
このMVを自分は何回も観てるのに、佐藤亜美菜がいたという記憶が無いんです。
MV集『AKBがいっぱい』
実は、ほとんど映ってないんですよね。
佐藤亜美菜が映るのは、2番サビの「そんな勇気はない」の一瞬だけ。
第1回じゃんけん大会選抜のキャッチフレーズ「ヒロインは悲劇を超えて なお戦う ひたむきな努力が生んだドリームガール」の「悲劇」は、自分的にこの悲劇だろうと思う……。
まあ、そんな彼女も、今回のポジションは泣く子も黙るセンター。
他のカップリング曲で、他のメンバーとのWセンターは以前にもあるんですが、単独センターは初。
もはや劇場のファンがいくら力を結集しても、順位1桁に送り込む事など不可能なぐらい巨大なイベントに成長してしまった今の選抜総選挙ですが、そうした中でこのポジションを獲得した彼女は、やはり民意の象徴――シンデレラガールなのだと思います。
あ、『今度こそエクスタシー』良かったですよ。
オトナな雰囲気の楽曲に合わせたMVは、あまり見た事が無い角度からメンバーの姿が見れて楽しい。
……にしても、まりこ様が卒業しても、AKBファンはヤメられないなあ。
ちょっと視線を移すと気になるメンバーが出て来るんだから、タチが悪い事この上なし。
みるきー推しと言いつつ、最近は岩田華怜が可愛く思えて仕方なかったりね。
そのうち、何かにこじつけて、彼女の良さも語ってやるぜ。DDで悪いかーっ!!!