『スカイ・ロック・ゲート☆』
さっそく「非選抜アイドル」を読んでみた
掲載:2013/3/26 11:00
昨日は
聖闘士星矢を2台拾っただけでおしまいでした。
自地区O店で
冬ソナFinalと
新鬼武者 再臨が夕方開放でしたけど、夜に見に行ったら釘ガチガチの低設定オンリーだろうという有様で、血迷って打たなくて良かったと思いましたし……。
どうしようもないですな。 ただ、打ちようがないお陰で、本は沢山読めます。
パチンコ屋回りのルートに本屋も組み込んだら、2軒目で見つかったので読んじゃいました。
非選抜アイドル
いやあ、これは「横一列に並んで、みんなでゴール!」とかやってる教育者に読ませてやりたい。
そんな社会の実状から乖離した教育を施したら、ロクな大人に育たんよ。みんな平等とか気持ち悪い価値観植え付けるより、どうしようもなく不平等で順位付けされてしまう社会の中で、敗者となっても自分をしっかり持って前に進む事を教えるべきかと?
「人が競争をするのは、勝者に独特の輝きや価値をもたらすためだと思う。もちろん平等もだいじだけれど、競争によって勝者や敗者が生まれることも、人が成長したり、学んだりするうえでは、同じようにだいじなことだ」という、著者――仲谷明香の達観ぶりには思わず脱帽です。
さらに、「アイドルが輝きや価値を持つためには、競争に打ち勝つことが不可欠なのだけれど、そこに欠かせないのが、その勝者に敗れる敗者という役割なのである。正々堂々と戦って、華々しく散っていく、競争相手が必要となるのだ。だから敗者は、不要になったり、立場を追われる存在ではないのである」と、敗者の役割や価値観について言及した上で、
「但し私は、それは必ずしもどんな敗者にも許されるものではないとも思った。許されるのは、敗者としての責任を果たした者だけなのだ。その責任とは、競争を放棄せず、正々堂々と戦って、敗れた時は華々しく散って、勝者を引き立たせることだ。言い換えるなら、勝者に輝きと価値をもたらすことのできる敗者が、敗者としての存在を許されるのである」と敗者の居場所についてまで筆を進めます。
これは正に、究極の競争社会であるAKB48にいたからこそ得られた見識でしょう。
AKB48を教育システムとして評価する識者もいるのだけれど、引っ込み思案の面倒くさがりで、毎日をだらだらと過ごしながらもアニメだけは一生懸命見て、たまのコスプレが楽しみという女の子がAKB48のオーディションに受かり、劇場公演をこなしながら成長し、自分の居場所を見つけて行く過程には、思わず唸ってしまうものがありました。
「ここまでの私の人生を振り返ってみると、その転換点には必ず逆境があった。AKB48でさまざまなことを学べたのも、私が人気を得ることができず、非選抜メンバーになったことがきっかけだったのである」と話をまとめて行く終章まで一気に読めましたね。
この本は、若い人にはもちろん、40~50代にもおススメできます。
文章の構成に未熟さは感じるものの、アイドル本にありがちな絵文字などは一つも無く、実直で等身大の文体には好感がもてましたし、下手な自己啓発本を読むなら、これを読んどけと断言します。
また、「メンバーから見たAKB48」という章などは、AKB48がよく分かっていない人なら面白く読めるんじゃないかと思いました。
AKB48は、今までのどのアイドルとも違ってますので、「ほう、AKBってこんな仕組みになっていたのか」と、思わず相槌を打っちゃうかもしれません。
メンバーの暴露話などは無いので、ゴシップを期待している人には残念ですが……。
何はともあれ、色々と共感を得られた一冊でした。
一日累計
-2k也。
●補足
著者、仲谷明香は自身の夢「声優」に向かって一歩踏み出し、この春、AKB48を卒業しました。