『スカイ・ロック・ゲート☆』
風は吹いている
掲載:2013/3/11 00:25
「風は吹いている」――AKBの東日本大震災復興支援ソングですね。
SPSPリーチ
♪この変わり果てた
大地の空白に
言葉を失って
立ち尽くしていた
ミニキャラリーチ
「RIVER」「Beginner」同様、アイドルらしくない楽曲の一つですが、MVもモノトーンの世界で青白い顔の少女たちが踊るという、萌えや可愛いさとは無縁のものに仕上がってます。
こういうのをアイドルにやらせてみようと思うのが秋元康の凄さで、やれるのがAKBの凄みなんでしょう。アーティストと呼ばれてる人達や他のアイドルは「みんな頑張ろう!」という論調の曲しか出さなかったですもんね。
要は「風は吹いている」みたいな楽曲をアーティストと呼ばれている人達が歌ったら「辛気臭い」と言われかねないし、他のアイドルではこうした変化球を受け止めてもらえるほど世間に認知されていない――結局、歌えるのはAKB48しかいなかったという事かと思います。
さて、3.11――今年も忘れてはいけない日がやって来ました。
東日本大震災から2年です。
当時を思い返すと、福島在住の自分にとって、インフラが破壊された事により不便な生活を強いられる苦痛や、何度も起こる大きな余震への不安より、炉心溶融と建屋爆発を繰り返す福島第一原子力発電所への恐怖が大きかったです。
ちょっと僭越な記事を書いて削除されてしまったり、関西の読者さんから「原発に残って作業している人達もいるのに、そんな事を言うものではない」と窘められたりもしましたが、そこに住んでいる者にとってはとても寛容になれる状況ではありませんでした。
いつ避難命令が来るか? 来た場合、仔犬のリュウタはどうしたら良いんだ? と、そればかり考えてました。
自治体や自衛隊のバスに乗らず、自分の車で避難しようにも、福島と仙台を往復した車には安全な地域まで行けるガソリンが残ってませんでしたしね……。
結局、「山津見さま」のある山で放射性物質の流入が止まり、自地区に避難命令が出る事は無かったのですが、もうあんなのは二度とゴメンです。
先日、とある報道番組を見ていて、「原発再稼動もやむを得ず」の声が意外なほど大きいのに驚きました。
1000年に1度と言われる、こんな惨事はそうそうあるものじゃないし、少なくとも自分が生きてる間は大丈夫って考えなんでしょうかね? 万が一、子供や孫が酷い目に遭ったとしても、それは自分じゃないし、と?
突如降臨する1/8192のプレミアフラグの驚きを知っているパチ・スロユーザーに、そんな脳天気はいないと信じております。
自分さえよければ、という人もいて欲しくはありません。
昨年秋、いも煮会で宮城県との県境にある渓谷まで行った親戚が、放射線検知器を持って行ったら、とんでもない数値が出て慌てて渓谷から上がって来たと言ってました。報道しないだけで、福島には危ない場所が沢山あります。
もし、「それでも未来へ吹いている風」に放射性物質が混じっていたら……?
子供達を安心して外で遊ばせられない、そんな日本にしたいですか?
震災の被害は確かに酷かった。しかし、それと複合して起きた人災はもっと酷かったし、それを他人事だと思って、再び人災の種を蒔こうとしている人達は震災よりも恐ろしい……。
しかつめらしい顔で「現状のエネルギー問題を考えると、原発再稼動はやむを得ないと思う」なんて言っている人は、この機に考え直して欲しいと思います。