『スカイ・ロック・ゲート☆』
こ・の・オ・ヤ・ジ・は……
掲載:2013/2/28 08:50
先日買った本ですが、出がけに手に取ったのが良くありませんでした。
冲方丁対談集 にすいです。
角川書店刊。漫画家、映画監督、解剖学者、小説家、挿絵画家……各界のトップランナーと冲方さんの対談集です。
ついつい読みふけってしまって、家を出たのは何と12:00過ぎ。
この1/3は、以前、小説誌等に掲載された際に読んだ事があるものなんですが、未読の対談にガンダムの富野由悠季監督とのものがありまして、これがちょっと凄かった。
まず、富野監督が「冲方さんの処女作『黒い季節』を拝見して、こういう才能が出て来たのか、とショックでもあったが半分も読めなかった。僕にはああいう作品が全くダメなんですよ」と切り出したわけです。
世界観がダメなんですか? いわゆる伝奇作品が苦手ということでしょうか? と問い返す冲方さんに返って来た答えは
「世界観以前ですね、あなたの場合はペンネームを見たときに、もう拒否感を感じていました。この漢字を『ウブカタトウ』と読ませるのか? ここまで表現をいじる作家は危険だ、信用しちゃいけない。もっと素直でいれば良いのに」
それは確かに理解できます。このペンネームには18,19歳の頃の思い入れがあって――
「背負う覚悟をもつことは潔いことだと思います。その想いをペンネームに書いておきたい気持ちも理解できます。ただ、僕は『お前の問題』なのだから、他人に対して公表して欲しくないと感じていたんですね。これは診断書のカルテのようなものです。カルテを読むと、読んだ人まで病気になりかねないでしょ?」
いきなり富野の先制パンチ。続いて、冲方のジャブをかい潜って懐に飛び込むと怒涛のラッシュ! って感じです。
「あなたのペンネームにはなんというのかな、日記的なナマなものを感じたんです。しかし、『黒い季節』を読むと……書き口から文体まで、僕がやりたかった『創作のかたち』があって、負けたと思い、しかもイケメンだし! だから、今日は顔をあわせるのがすごくイヤだったんですよ」……もう、冲方さん絶句。
すると、富野監督はしれっと言います。
「僕は演出家です。これくらいのことは最初に言ってみせますよ。さあ、はじめましょうか」
こ・の・オ・ヤ・ジ・は……。
自分もこのくらい鋭く、計算ずくの毒を吐いてみたい。本屋でここまで読んだ自分は、レジに並んでました。
そんな本だったもんですから、読み始めたら止まりませんよね。
で、午後になってから家を出た今日の稼働はと言いますと、試打で6k使っただけでエナれるパチスロも見つからずに終了です。
焦燥感に駆られ、高速に乗って商業都市まで行ったんですが、どこに行ってもド回収。給料が入って、つい財布の紐がゆるんだお客が入って来ようものなら確実に討ち取ろうという調整でした。この分では、明日も店回りするだけ無駄かもですね……。
「牙狼~蒼哭ノ魔竜~」も始まった事だし、これを観に行った方が期待値高そうです。
冴島鋼牙、最後の試練とはいかなる意味か――鋼牙の死まで視野に入り、ラストが全く読めないだけに楽しめるんじゃないかと思います。
皆様もホール状況が悪い時は、無理はなさいませぬよう。
一日累計
-6k也。