『スカイ・ロック・ゲート☆』
パチンコ参加人口過去最低
掲載:2013/2/19 08:05
パチンコ参加人口が調査開始以来最低となる1,260万人(前年比410万人減)!
これ、日本生産性本部の発行する、余暇の利用等の実態を取りまとめた、日本におけるレジャー関連の代表的統計「レジャー白書2012」によるものです。
2011年度は-24.6%――約4人に1人のお客様がホールを去り、打たない事を選択したという事なんですが、今年は過去最低を更新しそうな気がしてます。
ところで、今日はハッキリと明言しておきたい事があります。
最近、パチスロのビッグタイトルが続けざまに失敗しており、その件について「この機種も、あの機種もコケた!」という内容を書いているんですが、こうした記事を書こうと思うに至った動機は、地域の状況が悪いから八つ当たりで新機種をこき下ろしているんじゃありません。読者の皆さんの財布を心配しているんです。
「設定が入っていない可能性が高い」と書けば用は足りるので動機は書かなかったんですが、そのせいで妙な誤解をされている所がちょっと遺憾だな、と。
ともかく、稼動が悪い機械、これすなわち売り上げが上がらない機械です。
ホール的に商売上がったりなので、こうした機械は入れ替えを急ぎます。厳しい回収調整になるという事です。
例えば、最低設定のPAYOUT97%前後の平均的パチスロなら、時給-1,300円くらいになります。
たしか、現在のサラリーマンの平均的な小遣い額が39,600円でしたから、30.5時間で無くなりますね。30.5時間と言えば、会社帰りなら5~6日。休日なら2日少々で消えてしまいます。
もちろん、これは確率通りに当たった場合の話なので、最初に大勝ちしてまるまる1ヶ月遊べる場合もあれば、会社帰りの数時間で小遣いが溶けてしまって、次の給料日まで部屋で過ごす羽目になる場合もあるでしょう。
何にせよ、ホールが回収に走っている機械が設置されている島に入り浸ると、平均してその程度の時間で小遣いが無くなってしまうという事です。
「自分は負け前提でパチンコ・パチスロを楽しんでいるから関係ない」とおっしゃる方も少し考えませんか?
この程度の時間で軍資金が切れてしまったら、あまり楽しめないでしょう?
当たる前の派手な演出や、当たった瞬間の興奮する音。秀逸な出目や下皿やドル箱から溢れる出玉だけがパチンコ・パチスロの楽しさを形成しているわけじゃありません。
遊技している時間の長さも大切なんです。ハマリがあるから連チャンが楽しい。ハマったと呼べるほど軍資金がもたなければ楽しくありません。
冒頭で述べた、ホールを去った4人に1人のお客様の中には、投資した軍資金に見合う楽しみを得られなくなった――最近のパチンコ・パチスロはハマるほど遊べなくなったと感じた方が多数いるのは間違いないでしょう。
もう少し話をしましょうか。
Sn=a÷(1-r)
過去ログでも何度か言及してますが、これは公比rが1より小さい場合における無限等比数列の和の公式と言いまして、ベースと稼動率の関係を考えるには便利なものです。
10年前――サラリーマンの小遣いが平均54,900円で、ホールの還元率が90%と言われていた時代なら
54,900円÷(1-90%)=549,000円
出した玉やコインを全て換金して再投資に回した場合、54,900円の軍資金をその10倍で運用出来るという事です。
1日の平均投資額は20,000円という考え方で行けば27.45日分。要するに、1ヶ月間ほぼ毎日ホールに通えます。
対して、ホールの還元率が80%だったら
54,900円÷(1-80%)=274,500円
運用出来る額は半分に。13.73日――約半月もすれば大抵の客は軍資金切れでホールに来れなくなります。
では、サラリーマンの小遣いが平均39,600円と言われる現在はどうなのか?
答えは明白ですね。もし、還元率が80%なら運用出来る額は198,000円で10日もたずに終了。月半ば過ぎてもホールに来れるサラリーマンなどロクにおりません。
「最近の機種はキツい」という論旨をあちこちで見ますが、これはMAXタイプやART機の台頭ばかりが原因ではないのです。還元率が10%落ちると運用出来る額が半分になってしまうのだから、客側からすれば10年前と比べて遊技料が2倍値上がっているのと同じなのです。
つまり、還元率ダウンの影響の一部が、機種スペックの問題に転嫁されているーー。
だから、ツケマイてんちょ~さんが言ってるわけですよ。
「ホールの還元率を昔と同じに戻さなくてはならない」と。
自分もその考えに賛成です。
負け前提でパチンコ・パチスロを楽しんでいる皆さん、反対ですか?
今より安い遊技料で遊べるようにするべきだって話なんですけど?
「安い遊技料で遊べるなら、低貸でも良いのでは?」という意見もあるでしょう。
しかし、一物一価規制後の現在、低貸――1パチ・5スロでは単純にホールの売り上げが1/4になってしまいます。
最低設定のPAYOUT97%前後の平均的パチスロなら時給-325円。フル稼動なら日当約-4,000円。ホールの言い方なら台粗利約4,000円って所ですかね。
たしか、台粗利3,500円前後が商売としてやっていけるギリギリの線だと聞いた覚えがあります。
フル稼動でこれですから、既に飽和状態のためそれが望めない現在の低貸では、打ち手が期待するような良調整など出来ないのはお分かりですよね?
パチンコ・パチスロは、同じ機種でも悪調整や低設定を打つより、良調整や高設定を打った方がずっと楽しいです。
また、それを探して立ち回る楽しみというものもパチンコ・パチスロにはあるわけで、低貸コーナーがパチンコ・パチスロを卒業する一歩手前の窓口として機能してしまう理由には、そうした楽しみを提供できない営業カテゴリーだからだという気がしてなりません。
色々話して来ましたが、自分は現在のサラリーマンの平均的小遣いの額でも、足繁くホールに通えるような環境を作る事が業界の活性化に繋がると信じております。
だから、悪徳ホールの一時的な延命策に協力するようなライターや、還元率の低い機種に誘い込もうとするタチの悪い煽動、あるいは浅慮な記事に腹が立つんですよね。長期的な目で見て、客を減らし業界を衰退させるだけだろうと思います。
本当にパチンコ・パチスロを愛しているのなら、もっと深く考えようよ。