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たまりませんな――爆弾低気圧。
 
今日はS店が地元情報誌の取材という事で行ってはみたものの釘は開いておらず、帰宅後は雪かきでした。
降雪量は首都圏と変わらないと思いますが、春先のようなシャーベット状の重い雪……。
いい汗かきました。
雪に慣れていない首都圏の皆様。明日も歩行中の転倒など、事故に遭いやすい状況ですのでご注意下さいませ。
 
そんなわけで稼働が無いため、今日のネタ振りは
 
 
 
 
いやね、日曜洋画劇場で「アバター」やってたじゃないですか。それで思い出したんですよ。この作品の実写映画化をジェームズ・キャメロン監督が進めている事を――。
 
作品解説に移りましょう。「銃夢」は木城ゆきとによる日本のSF漫画。
全身サイボーグの少女――ガリィが機甲術(パンツァークンスト)と呼ばれる格闘術を駆使して、様々な強敵と戦いながら成長していく姿を描いたサイバー・アクションです。
こう説明すると、現在巷に溢れているありがちな漫画って感じなんですが、注目すべきは発表されたのが1990年――今から23年も前だという事。
そうです、断言します。木城ゆきとは士郎正宗と並んで、日本のSF漫画……いや、世界のSF作品に多大な影響を与えた作家です。 
 
と言うか、並みの作品に、あの「ターミネーター」「ターミネーター2」「エイリアン2」「タイタニック」「アバター」のジェームズ・キャメロンが白羽の矢を立てるはずがないんですよ。
凄いのは「業子力学」「D-リッパー」「ユナニマス・システム」といった怪しげな科学理論やガジェットでも、「周破衝拳(ヘルツエアハォエン)」「第六攻撃(ゼクスト・アングリフス)」といった格闘術理でもなく、その世界観と登場人物達が口にする価値観・倫理観。これはもう猛毒です。
この作品が発表された1990年当時、自分はまだ学生服着てましたけど、相当影響受けましたね。「銃夢」を読まなければ、こういう性格になっていなかったんじゃないかと――?
 
「アバター」の成功により、「アバター2」「アバター3」の制作が決定し、超多忙なキャメロン監督ですが、「この作品だけは他人に委ねるわけにいかない」と、自らが監督する事を2011年に明言している作品ですし、今のうちに読んでおくと良いでしょう。映画の完成はいつになるものか分かりませんけどね……。
ちなみに、その実写映画版のタイトルが、お題にした「Battle Angel」です。
 
では最後に、興味を持った方のために原作本の入手について解説しておきましょう。ちょっとややこしい事になっている作品です。
「銃夢」は1990年にビジネスジャンプで連載を開始したものの、1995年には諸々の事情により本来構想にあった「宇宙編」に至らぬまま、一応の結末をつけられて完結しております。単行本は全9巻です。
しかし1998年、その「宇宙編」がPS用ゲームソフト「銃夢～火星の記憶～」として発売され、先の単行本全9巻刊行後に描かれた3本のエピソードも収めた「銃夢 完全版・全6巻」の刊行も開始。
その流れで2000年から「宇宙編」を元に構想を練り直した続編「銃夢 Last Order」の連載がウルトラジャンプで始まりました。
 
 
 
 
ところが2010年、「銃夢 新装版・全6巻」刊行時に台詞修正をめぐって集英社法務部との諍いになり、「銃夢 Last Order」は本編15巻・外伝1巻を刊行した状態で連載終了。
2011年からは講談社に移籍し、イブニングにて連載を再開、現在も連載中です。
 
そんなわけで注意したいのは、現在の所、1つの出版社・版型で「銃夢」から「銃夢 Last Order」まですべてのエピソードを読むことが出来ないという点ですね。
また、講談社版では集英社連載分を「銃夢 Last Order NEW EDITION・全10巻」として刊行済みですが、その一方で集英社の版型を尊重した形で16巻と17巻を刊行しております。
こうした事情を踏まえると、ベストと思われるのは
 
 
「銃夢 新装版・全6巻」集英社
「銃夢 Last Order・1～15巻」集英社
「銃夢 Last Order・16,17巻」講談社
「銃夢 Last Order外伝」集英社
 
 
かと思います。「銃夢 新装版・全6巻」は前述の通り、一部の台詞が改変されておりますが、完全版および、ビジネスジャンプ連載時の版型は書店での入手が困難なので致し方ないでしょう。原本にこだわるようでしたら、ネットで探すしかありません。
なお、その際にビジネスジャンプ連載時の版型で9巻を見つけたなら即買をおススメします。
「銃夢 Last Order」はこの巻につけられた一応の結末が無かった事として始まっているので、完全版・新装版共に9巻の155P以降が未収録なのです。
作者の構想とは異なるエンディングだったとはいえ、自分はこの終わり方が結構好きだったりして……。
 
くれぐれも、この作品の毒気に当てられて性格が変わらない程度にお楽しみ下さいませ。