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【ザッシュ】
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『スカイ・ロック・ゲート☆』
夏への扉
掲載:2012/12/10 07:05

エウレカセブンAO、ついに完結。
 
エレナ・ピープルズというキャラクターに関して思いっきり失敗してるものの、総評としては傑作だと思います。
 
 
夏への扉
エウレカセブンAO ブルーレイ6巻
 
 
 
そして、意地の悪い見方をすると、オマージュの形を取ってはいるけれど、実はエヴァへの挑戦状なんじゃないかって気もしてくるんですよね。
スカブコーラルを追って出現する謎の存在シークレット。それを迎撃する3機のIFO――ニルヴァーシュ・キリエ・アレルヤなんて部分は、まんま使徒を迎撃する初号機・弐号機・零号機ですし、エウレカとの邂逅後に落とされまくるアオの様子は、初号機覚醒後のシンジくんに被ります。
違いは、アオがレントン譲りの元気者だという事でしょう。
 
こういう作り方されると、来年公開予定とされているシン・エヴァンゲリオン劇場版:∥の結末と比較したくなってしまいます。タイトル末尾に付いた「:∥」とは、どんな意味なのか?
旧世紀版が社会現象となったのは、視聴者が期待する謎の解明や、具体的な結末が無い終わり方だったからだと自分は思います。
要するに「エヴァって一体何だったの?」という語り合いになったわけですよ。
もし、エヴァにちゃんとした結末がつくなら、どんな結末になるのか? ちゃんとした結末がついても社会現象になるのか?
ちゃんとした結末がついても社会現象になるようなら、エヴァは本物の名作だと思います。
 
ともかく、ここではエウレカセブンAO最終話「夏への扉」の解説をしましょうか。
最終話サブタイトルを海外SF作品の邦題から引用するというのは、本来庵野監督の流儀ですね。
こんな部分でも、しっかりオマージュ(挑戦状?)してるんですよ。以降、ネタバレ注意!
 
「夏への扉」とは、ガンダムの元ネタになったと言われる作品「宇宙の戦士」の作者ロバート・A・ハインラインが書いたSF小説。
しかも、多くの作家や評論家がオールタイムベスト1位に挙げる永遠の名作です。
 
 
夏への扉
夏への扉[新訳版]
 
 
 
ぼくが飼っている猫のピートは、冬になると“夏への扉”を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているからだ。そしてぼくもまた、ピートと同じように“夏への扉”を探していた。最愛の恋人と親友に裏切られ、仕事を失い、生命から二番目に大切な発明さえも奪われてしまったぼくの心が、真冬の空のように凍てついてしまったからだ。失意の日々を送っているぼくにも、ピートが信じる“夏への扉”は見つかるのだろうか。
 
未来は、ぜったいに過去よりよいものになる――
それぞれの”夏への扉”を探して現代を生きる人々へ、新しい翻訳で贈るハインラインの希望に満ちあふれたメッセージ。
 
――新訳版カバーから抜粋
 
 
ひょっとしたら、こちらの画なら分かる人もいますかね?
 
 
夏への扉
夏への扉[旧訳版]
 
 
 
(自分の[旧訳版]蔵書はリュウタに齧られました……)
 
ぶっちゃけ、この作品を読んだ事がないSFファンなどモグリだろうと思います。
しかし、この作品において、冷凍睡眠、タイムマシンといったSFではお馴染の道具立ては重要ではありません。
全てを失った主人公が、失ったものを取り戻すまでの物語が重要なわけで、SFファンじゃなくとも普通に面白い本なんじゃないかと思います。
興味を持った方は、是非読んでみて下さい。
注意点は、書かれたのが1956年なため、1970年が未来という設定になっている所ですかね。でも、半世紀以上も前のSF作家が想像した、今から40年ちょっと昔の未来とはどんなものか? という見方をするのも一興かもしれません。
 
何はともあれ、この名作をサブタイトルに引用した事で、エウレカセブンAOの最終話が印象深いものになったのは間違いないでしょう。
ラストシーン――大破したニルヴァーシュのコクピットから、レントンのリフボードに乗って懐かしい磐戸島に降下して行くアオを見つつ思いました。
スカブ(白)ともシークレット(黒)とも決めなかったアオは、某巨人漫画風に言うならば「何も成せない人間」なのかもしれないけれど、きっと、どんな時でも“夏への扉”を探し続ける事を諦めないのだろうな、と。
 
以上、O店特定日ながら釘が開かずAKBが打てなかったため、エウレカセブンAOブログをお送りしました。
 

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