『冒険人生。2』
ミニミニ現代パチンコパチスロ小説
掲載:2008/3/12 14:45
【前回のあらすじ】
ホールスタッフの信太郎は22歳。
そこで、運命的な二歳年上の女性「彩香」に出会い、好意を寄せていく。
あるとき、コンビニ前で携帯を片手に、泣きじゃくる彩香を信太郎は見つける。
泣きじゃくる彩香に駆け寄ろうとしたとき、怒声とともに男が現れる。
その男は、信太郎もよく知っている店長の吉田だった。
★第三章 「秘密」
大声だった吉田は、突然、周りに気遣い、自然と流暢な声で、彩香に話かけた。
・吉田「こんなところで、何してるんだ!?寒いだろう・・・ほら、もう泣くな。」
と、吉田は赤い革のブルゾンから、ハンカチを取り出し、彩香に渡した。
・吉田「ほら、これも着ろ。」
と、赤い革のブルゾンを、彩香の細い身体に、掛けた。
吉田の赤い革のブルゾンを着た彩香は、ダップリとして、ブルゾンの丈口が、彩香の膝まで届いた。
彩香は、ちょっとした、この吉田の優しさに堪らなく愛情を感じる。
ブルゾンに袖を通し、ギュッと自分の身体を抱え込むと、暖かい吉田の男臭さと言うか、何とも言えない男の暖かみを感じた。
独特の革の匂い、煙草の香りが染み込んだ匂い・・・とても、切ない・・・。
感情と寒さで、震える彩香は、振り絞って、声を出した。
・彩香「どうして・・・どうして、私達は、一緒になることができないの?」
少し震えが残る唇で、彩香は吉田に問いかけた。
・吉田「それは、言えない。言えないが、一緒になることはできない。彩香の気持ちは、物凄く嬉しいんだけど、駄目なんだよ・・・」
・彩香「理由もなく、私の気持ちが受け入れて貰えないのは、納得できないよぉ!」
・吉田「・・・・」
二人の沈黙は、しばらく続く。。。
10分?いや、30分近く沈黙が続いた。
車の陰に隠れている信太郎も、流石に足が痺れてきた。完全に出るタイミングを見失ってしまった。
信太郎が痺れた足を揉んでいる最中も重く冷たい空気は流れる。
すると、その空気を断ち切るように、吉田が重い口を開いた。
・吉田「わかった。いずれにしても、彩香と付き合う訳には行かない。ただ、その理由については、今度、ゆっくり時間を取って話すよ。」
・彩香「・・・う・・ん・・・」
彩香の束ねた髪が、風で揺れる・・・彩香は、小さく頭を下げた。
・吉田「今日は、もう遅いから、寮に帰ろう。そうだ、コンビニで何か買うか?」
・彩香「・・・・」
・吉田「ん?よく聞こえないな。何か買うかい?」
・彩香「・・・アイス・・・が、・・・いいな」
・吉田「おいおい、彩香は、今寒がってるじゃないか!アイスでいいのかよ!?」
・彩香「うん、アイスがいい!」
・吉田「はは、少しは、機嫌が戻ったかな?ちょっと安心したよ。何を買うんだい?」
・彩香「これが、いいな!」
彩香が手に取ったアイスは、ラム酒の効いた、ちょっぴり大人っぽいアイス。
今日のこの思いをアイスに例えると、きっとラム酒の効いたレーズンアイスになるのだろう。
吉田と彩香は、買い物を済ませると、お店の寮へ向って歩き出した。
陰に隠れていた信太郎も、遅れちゃイケナイと、二人を追うことにした。
・信太郎「やばい、二人を追わないと!あの二人に何があるんだろう・・・」
信太郎が、コンビニの駐車場をあとにして、歩道に出ると、目の前に、二人が立っていた!
・吉田「あれ!?信太郎・・・どうした?今日も朝までDVDでも見るんか?」
・彩香「信ちゃん!!」
・信太郎「いやいや・・・ちょっと、落ち着かなくて、夜の散歩に出てたんすよ」
信太郎は、とっさに答えた。
・吉田「ほーっ。信太郎も落ち着かない時があるのか、ククク。若いからこそ、落ち着かないのかもな。一緒に寮に戻ろう、明日もあるしな。」
・信太郎「ええ。。。まぁ。。。はぃ」
三人は、横に並び、彩香を挟み込むように、歩道を歩いた。
・彩香「信ちゃん、ロッキーに来て、もう2年だっけ?」
・信太郎「う・・・うん、そうだよ。やっと、仕事も馴れてきて、これから新しいことにもチャレンジしてみたいなって、思ってて。」
・彩香「へー、やる気マンマンだね!よしよし、明日からお姉さんが、みっちり教えてあげようかな!あはは」
・吉田「おいおい、彩香はほとんど、カウンターの中じゃないか。そうだ!信太郎!!お前、釘・・・釘覚えないか?」
・信太郎「ええっ!良いんですか!?」
信太郎は、突然の吉田の話に、びっくりした。
・吉田「おぅ、もう釘を覚えてもいい頃だろ。むしろ、そろそろ、覚えないとマズイからな。明日から教えてやるから、夜残れ。」
・信太郎「はぃっっっ!!!!!」
・彩香「信ちゃん、すごぃじゃない!アタシも応援してるからね!!」
・信太郎「あ、ありがとうございますっ!!やったぁぁぁ!」
・三人「あはははは!」
・吉田「さぁ、走って帰るぞー!」
・彩香 信太郎「はぃっ!」
信太郎は、突然の吉田の釘の話に、心が躍った。
だが、吉田が最後に言った「彩香と付き合えない理由」について、謎が解けないままだった。
無邪気な彩香と正反対に、何か陰のある吉田。
吉田には、きっと秘密があるに違いない・・・信太郎は、思うのであった。
・・・・・・続く
※※この小説は、オリジナルです。事実や架空や捏造や自己満足を織り交ぜておりま
す。
織り交ぜておいて言うのも変ですが、実在する名称等とは一切関係ございませ
ん。
ブログで書くことじゃねーよと言われそうですが、まぁまぁまぁ^^;
【書き終えて、自己採点】
えっと、先週から、続きはいつだ!?早く、続きを読ませろ!!と、たくさんのメールを頂戴しているようです^^;
それも大量に頂いてるようで、編集のP助のメールチェックが遅れている模様。
チェックしたメールが月曜日に、どっさりまとめて、オイラのところにやってきまして・・・^^;
たくさんの方々に、興味を持って頂いて、すごく嬉しいです。
小説書くのって、面白いですね・・・あはは。
皆さんの期待を裏切らないように、話を展開できればなぁと思いますが、何せ自己中ってことを、お忘れなきよう・・・