『酒と涙と本とパチスロ』
コンビニ本Ⅱ
掲載:2012/5/19 23:45
皆様、お疲れ様です。
ヒロオです。
今や市民権を獲得し、あるのが当たり前のような存在になってきた感もあるコンビニ販売用のコンビニ本。
その中から私が気になるコンビニ本を紹介するのが当コーナーです……
……って、前回が3年前の8月ですから、全然コーナーになってないですね。
ちょっと格好良さげに言ってみたかっただけです、すみません。
さて気を取り直して、今回取り上げるのはこちらの漫画です。
原作・小池一夫、作画・叶精作、劇画スーパーコンビであるお二方の手による傑作
『オークション・ハウス』です。
この作品は、私にとっても記念すべき作品でして。
何せ、生まれて初めて読んだ「小池原作」作品ですからね……。
『ZERO』や『ギャラリーフェイク』などの美術・芸術系漫画を好んで読んでいたあの頃。
「オークション・ハウス?……美術漫画かぁ~、ちょっと読んでみようなぁ」
などという誤った認識をして手に取らなければ、私の人生で「エレクチオン」という単語が口から出ることは無かったかもしれません。
物語の主人公は、柳宗厳(リュウ・ソウゲン)という東洋人。
リュウは美術鑑定家として世界的に有名で、イギリスのオークションハウス・オリバー社のMD(マネジメントディレクター)として活躍しているのですが、実は彼が美術界に入ったのは、幼い頃に両親を殺して絵を盗んでいった犯人を探すためという理由だったのです……
……と、一応美術・芸術作品を扱いつつ話が進みますので堅苦しくて難しいかと思いきや、もちろんそんなことはありません。
何しろ本作は小池原作。
基本は常にセッ●ス&バイオレンスです。
読み進めていけばいくほど、登場人物が美術関係者よりマフィア&殺し屋の方が多くなってきますから、終盤に入ると、「アレ?この漫画何でオークション・ハウスっていうんだっけ?」と思えてくることは請け合いです。
まぁタイトルにスポーツ名が付いているのに、6巻くらいから全くアイスホッケーをしなくなった下ネタギャグ漫画もあるくらいですからね。
あの漫画よりは遥かにタイトルに沿っていることは間違いないでしょう。
ちなみに、小池原作作品を読んだことがない方はいない……と私は思っておりますが、注意点を一つ。
小池原作作品では、
“
話言葉の「ん」は片仮名の「ン」として書く”
というルールがあります。
つまり、
「なんでこんなことになったんだ…」
という台詞は、
「なンでこンなことになったンだッ!」
という風になります。
これは、「リズム感を出すため」だそうで、なるほど、リズム感があるような気もしますね……
何となく、エセ外人のような印象も受けますけれど。
小池×叶コンビは、この『オークション・ハウス』だけでなく、『魔物語』『実験人形ダミー・オスカー』など多くの傑作を輩出しており、また、これらの作品もコンビニ本化されております。
特に、『実験人形ダミー・オスカー』は私的には超オススメ。
ただし、オススメと言ってもそこは小池原作です。
「オススメと言われたから読んでみたのにチ●ポのところに金属バットが描いてあって『GGGGー!!』とかいってる漫画だった!!」
と言われるとちょっと困ってしまいますので、そういう漫画であることを踏まえた上で、読んでいただければ幸いです。
一番の難題は、最近コンビニで見かけなくなったことですかねぇ。
三丁目の夕日はあんなに「アンコール増刷!」とかいってんのになぁ……。
まぁ、BO●KOFFあたりに行けば容易に見つかるかとは思います。
興味の出た方はぜひ、探してみて下さいね。
…ということで、今日はこの辺で。
それでは、また!