『スカイ・ロック・ゲート☆』
野良犬のストラット
掲載:2011/9/5 08:55
回収がセオリーの月初の土日。
皆さまはいかがお過ごしでしたか?
広告宣伝規制でホールからの情報が遮断されている現在、勝ちにこだわる方は動くに動けなかったのではないでしょうか?
自分はと申しますと、いつも通りでございます。
ええ、ハイエナですね。
ただ、今日はちょっと凹む事がありました。
S店に前日BIG後842Gヤメという
エウ゛ァ-真実-がありまして、30分程の並びを入れたんです。
まあ、S店だし30分前で十分だろうと?
しかし、S店に到着すると6番目。日曜とはいえ、S店にしては多い人数です。
でも、ほとんどは年配客だし、この時点では大丈夫だと思ったんですよ。
やがて、開店時間が近づくにつれ人が増えて来ました。
「ああ、ヤバイ……取られるよ……」
そんな声が後ろから聞こえて来て、チラッと振り向くと、そこには昨夜S店にいた若者の顔。
ヤメG数を見てたので、取られるというのは、BIG後842Gヤメの
エウ゛ァ-真実-を自分に取られるという意味で間違いないでしょう。
はっきり言って、こんな期待値を他人と張り合うのは萎えるんですが、それを取るために並びまで入れてるんですから、こちらとしても譲るわけには行きません。
エウ゛ァ島まで競歩のイメージトレーニングを始める自分――。
そこで、ふと右足のつま先に突き出された杖に気付きました。
実は後ろの若者以前に、隣のおばあちゃんが気になってたんです。
隣ですよ、隣。
入場口まで皆縦一列に並んでるんですけど、何故かこのおばあちゃんは自分の隣、正確には右斜め後ろぐらいにいるのです。
「あと数分で開店になりますので、いましばらくお待ちくださいませ」
入場口に店員が現れると、おばあちゃんの杖はさらに自分の前に出て来ました。
おいおい、前に入れろって?
普段なら別に構わないんですが、狙い台が被るライバルの存在が明らかになった以上、それは困ります。
このおばあちゃん、絶対歩くのが遅いでしょう。
後ろの若者は走ると思います。走られた時に、おばあちゃんに前にいられたらアウトですよ。
逆に後ろにいてもらえれば助かります。若者に対する壁になりますから。
ゴメン、おばあちゃん――。
右足を前に出す事で、前に入れる意思が無い事を伝えると、おばあちゃんの杖は後ろに引っ込んで行きました。
「皆さま、お待たせしました……」
そして、ついに開店。
入場口をくぐり、背後の気配を感じ取ると同時に自分は走り出してました。
想像通り、後ろの若者はおばあちゃんをかわして猛ダッシュ!
走り出したとはいえ、どこか遠慮があった自分はやすやすと若者に抜かれてしまいました。
ところが、エウ゛ァ島が視界に入ると、件の842Gヤメの台は先頭の年配客グループに一人だけ混じっていた別の若者が既に確保済み。
猛ダッシュで自分を抜かして行った若者は、肩を落として引き返して来る所でした。
いやあ……凹みましたね。
台を取れなかった事に対してではなく、おばあちゃんを前に入れてあげず、このあさましくも低レベルな競争に参加してしまった自分に対して……。
要するに、滅多に無いご馳走がポリバケツの中に入ってるのを見つけた野良犬が、他の犬にご馳走を取られまいと吠えちゃったみたいな話です。
残飯漁る所を見られるのは恥ずかしいから、大人しくやってたのに……。
しかも、そのご馳走は野良犬達が吠え合ってる間に、別の犬がゆうゆうと口にしてたというのも救えません。
こんな立ち回りしかしていない、今の自分がもの凄く嫌です。
明日はやはり宵越しの期待値拾いから入りますが、正攻法の上げ狙いで何台か打ってみようと思います。
他人に見られて赤面するような行動は取りたくないし、出来れば羨ましがられるようなご馳走を一目置かれるような形で口にしたい。
もっとも、こういう生き方自体しょうもない野良犬なんで、ごく一般的な客に対して誇れるような事は何も無いんですけどね……。