『スカイ・ロック・ゲート☆』
確率って収束するの?
掲載:2011/5/4 14:15
読者さんからメールも頂戴した事ですし、
確率の収束について語ってみたいと思います。
「確率は収束するって言うけど、一体いつ収束するんだよ?」
という疑問を持っておられる方は多いはず。
そして、その疑問が日々の期待収支において、どれくらいの偏りを見せるのかという興味になって現れるのではないかと?
ちなみに、今年の1月に
『期待値とか、確率の収束とか』という記事を書きましたが、今回述べるのは意図的に書き残しておいた部分だったりします。
確率の収束とはどのような現象を言うのかについては説明したけど、何故、確率は収束すると言い切れるのか――その根本的な部分について触れていないのですね。
実は待ってました――その根本的な部分に関する突っ込みを!
来なかったのでブン投げてましたが、語るにはよい機会を貰えたので、何故、確率は収束すると言い切れるのか説明いたしましょう。
使用する教材は、
設定推測ツール――それが起きる確率を二項分布により算出し、各設定毎に割合化して表示するものです。
ちょっと、その機能を応用してみましょう。
例えば、とあるホールで
エウ゛ァ-真実-の設定6確定台に座る事が出来たとします。
しかし、ベルがさっぱり落ちません。
BINOMDIST(11,100,1/7.53,TRUE)=0.309434……
100G試行してベルが11回以下しか出現しない確率――ベル出現率1/9.09以下は
30.94%という事になります。
「6でベル出現率1/9以下ってありえねえ!」
てな感じに100G前後の試行で見切りをつける方は多いと思いますが、このような現象が起きる確率は実は30.94%もあります。
不幸とかレア現象という言葉は、ちょっと当て嵌まらない話ですね。
BINOMDIST(117,1000,1/7.53,TRUE)=0.075129……
試行数を10倍――1000Gに増やしてみました。
相変わらずベルが落ちません。出現率はほぼ設定1の近似値です。
ベル出現率が1/8.55以下になる確率は
7.51%。
まあ、稀と言って良いと思いますが、非現実的な確率ではないので、6確定台をガセと断ずるには躊躇する状況です。
BINOMDIST(352,3000,1/7.53,TRUE)=0.006117……
試行をさらにそこから3倍に増やして3000G。
しかし、相変わらずベル出現率は設定1の近似値のままです。
ベル出現率が1/8.52以下になる確率は
0.61%……。
さ、さすがに6確定台はガセなんじゃ……。
という事でお分かりいただけましたでしょうか?
試行を増やせば、本来の確率分母に近づいて行く(ように見える)と言われる、確率の収束という現象――。
「最初の○出現率が1/6でも、後の194回で○と×が均等に出れば1/2.048163……って、均等に出なかったら収束しないんじゃない?」
その突っ込みはごもっとも!
(……来なかったけど)
しかし、心配ご無用。どういったプロセスをたどるかは神のみぞ知るって奴ですが、
エウ゛ァ-真実-のベル出現率を例に述べたように、試行を増やせば増やすほど1/7.53がそれ以下の出現率になる確率は下がって行くのです。
要するに、いくら試行しても本来の確率分母に近づいて来ないなんて事は数学的にありえない――これ、すなわち確率は収束するって事の証明!
パチンコの大当り確率のように分母が大きいと収束に要する試行数も多くなるし、初当たり確率やトータル確率が似たような数値であってもスペックによって違って来たりします。
しかし、確率は確率。
月に数回しかホールに足を運ばないようなライトユーザーならいざしらず、仕事帰りや週末等頻繁にパチンコを嗜んでいる方なら一生収束しないなんて事はありません。必ず収束します。
ちなみに、
新海Withアグネス・ラムMTMなら、月20日稼働の専業でほぼ完全に収束するまで約10年ですかねえ――。
「専業で10年って、俺は何十年だよっ!」
と突っ込みたくなったサラリーマンの方もおられるでしょうが、これはもう、そういうものだとしか言いようがありません。
パチンコ・パチスロで勝つには、立ち回りから運の要素を極力排除するのが肝要と申しますが、稼働量(試行数)を増やすのも、正にその意味で重要な事なのです。
コツコツと一日一日堅実に立ち回れば、何十年か後にはお金が貯まってます――もしくは、残ってます。
最後に、分かりやすくするために
エウ゛ァ-真実-のベル出現率に絞って話を進めましたが、レア役、ボーナス成立契機等の要素を加えた、実際の設定推測作業で得られる期待度と記事中の期待度は異なる事。および、使用した値は累積分布関数であり、設定推測ツールで用いられているのは確率密度関数である事を申し上げておきます。
また、それが起こる確率を算出する際にトータル確率を用いると、間違った数値が算出されてしまう事も合わせて申し上げます。
トータル確率は台のクオリティを把握する上では非常に優れた考え方ですが、初当たりの分母を平均継続回数で割って無理矢理小さくしてしまっているので、普遍的な事象でも極めて稀な事象であるかのような数値になってしまうのです。
確率論を学びつつオカルトに傾倒する方は、その辺りで考え違いをしているケースが多々見受けられますので、冷静に考えて頂ければと思います。
――以上、確率は収束するというお話でした。